第6話 ゆうしゃそのに

文字数 713文字



「おおい、たすけてくれえ……」
ゆうかちゃんとクロさんが、てくてくとあるいていると、だれかのこえがしました。
「ねえ、クロさん、きこえた?」
「うん、こわいなあ……」
ゆうかちゃんとクロさんは、ちょっとだけびくびくしながら、まわりをみました。
「おおい、ここだあ……」
すこしとおくのみちのまんなかで、だれかがさけんでいます。

「やあ、プーさんじゃないか。」
「あ、クロさんかい?たすけてくれよお。」なんと、かぶとむしさんがみちのまんなかでさかさまになっていました。
とてもくるしそうです。
「なんてかっこうだい。ハハハ……」
「クロさん、わらってないでたすけてあげましょうよ!」
「あ、そうだね。ハハハ……」
クロさんは、のんびりしています。

「やれやれ、たすかったよ。ありがとう、おじょうちゃん。」
「いいえ、どういたしまして。わたしゆうかちゃんっていうの。」
「おらはプーっていうんだ。」
「どうしたんだい、プーさん。」
「ああ、それがそこでスイカをたべてたら、かまきりのやつがおらをけっとばしていったんだ。なんかうれしそうにいそいでたよ。」
「ねえ、プーさん、そのかまきりさん、ピエロのねむちゃんをもってなかった?」
「うん?なにかだいじそうにもってたね。」
「やっぱり!」
「どうしたんだい?」
「ああ、ゆうかちゃんのおともだちのピエロのねむちゃんを、かまきりがもっていっちゃったんだ。それで、いまからたすけにいくところなんだよ、こわいけど……」
「ふうん。じゃあ、おらもいっしょにいってやるよ。さっき、けられちゃったし……」
「ほんとっ!」
「ああ、おらはちからだけはあるからね。」
「ありがとう、プーさん!」
こうして、かぶとむしのプーさんがなかまになってくれました。



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