第11話 クロさん、がんばる
文字数 628文字
「クロさん、たすけて!」
「しずんじゃうぜ、べらぼうめっ。」
みんな、いっしょうけんめいしずまないようにがんばっています。
でも、ゆっくりとしずんでいます。
「どうするね。」
「うん……、よおし、がんばってとってくるよ!」
クロさんは、けっしんしました。
「みんな、まっててね!」
「クロさん、がんばってね。」
こうして、クロさんはつるつるのきにむかってはしっていきました。
「よいしょ、よいしょっ。」
クロさんは、いっしょうけんめいつるつるのきにのぼっていきました。
あしがすべってのぼりにくいけれど、みんながんばっているのです。
クロさんもがんばって、きれいなはっぱのところまできました。
そして、きれいなはっぱをとりました。
「あっ、みんな、たいへんだ!」
したをみると、もうみんなむねのところまでしずんでいます。
「ど、どうしよう。」
クロさんは、こまってしまいました。
「うーん、こわいけど。」
クロさんはすごいことをおもいつきました。「それっ、こわいよう!」
なんとクロさんは、はっぱにのって、つるつるのきからとびおりました。
ゆーら、ゆーら……
きれいなはっぱは、ゆらゆら、ふわふわと、みんなのほうにむかっておちていきます。
クロさんは、めをしっかりつぶって、はっぱにしがみついていました。
「やれやれ……」
ミミズのニョロさんは、それをみてみんなをたすけにいきました。
「ほら、みんなつかまりな。」
みんなはニョロさんにたすけられました。
「ふう、たすかった。」
「ああ、しんどいぜ、べらぼうめっ。」