第10話 かまきりのこぶん そのに 

文字数 615文字




だんだん、もりのなかはくらくなってきて、じめじめしてきています。
「なんだか、きみがわるいね。」
「ここはおひさまがあたらないから。」
「それにしても、じめじめしてるぜ、べらぼうめっ。」
「ね、ねえ、かえろうよ……」

「あっ!」
「た、たいへんだっ。」
あるいているうちに、ゆうかちゃんとプーさんとムサシさんは、じめんにずぶずぶとあしがしずんでいきました。
「それっ!」
プーさんとムサシさんは、とぼうとしましたが、うごけません。
「ど、どうしよう……」
クロさんは、いちばんうしろをあるいていたのでたすかりました。
「そうだ、ちょっとまっててね。」
クロさんは、きのえだをさがそうとおもいました。
でも、ちかくにはきのえだがありません。
そのときです!



「だあれ、あたしのいえにかってにはいってるのは?」
クロさんのまえに、おおきなミミズさんがでてきました。
「あ、ニョロさん。みんながたいへんなんだよっ。たすけてよ!」
「なんだ、クロかい。かってにひとのいえにはいっておいて、たすけてっていっても。」「でも、みんなしずんじゃうよっ。」
「たすけてやってもいいけどね。そうだ、おまえがあそこのつるつるのきのうえにある、あのきれいなはっぱをとってきたら、たすけてやってもいいよ。あんなはっぱで、ベッドをつくってみたかったんだよ。」
「ええっ、で、でも……」
「おくびょうもののおまえには、むりかね。でも、みんなしずんじゃうよ。」
クロさんは、どうしようかこまってしまいました。
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