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文字数 627文字

 私がそう言うと、男は怒りながら、

「ふざけた事を言うな!そんな高価な物を使えたら、強盗なんかするか!殺すぞ!」

と銃を私に向けた。
 これはまずい。だが私には、まだ切り札が残っていた。
この者達が強盗ならば、さっさと片付けて旅を楽しもうかと思い至ってしまった。

「君、その銃を撃つのは止め給え。
私には、切り札があるんだ」

と言うと。彼らは馬鹿の様に大笑いをした。
客には泣いている御婦人もいた。
私は彼らに怒りが芽生えた。そこで、

「ボンベイ・・・、ボンベイ!」

と呟いた。彼らは私の所に集まると、

「おい、おっさん何言ってるんだ?あはは、
怖くて頭がおかしくなったか?あはは!」

私は溜息をつくと、

「ボンベイ!」

と叫んだ。しかし何も起こらない。
 何だ一体、今日は・・・と思っていると。
強盗団は窓の外を見ながら震えていた。
銀河警察でも来たかな?
と私も見て体から力が抜けた。
 何なんだ!この小芝居は!
外にはこの異次元の外には、
あのキャプテンレッドシャドーがユニコーンの形をしたスペースバイクに乗って並走していたのだ。

 バカ野郎!バーグ!
キャプテンレッドシャドーはニヤリと笑った。
異次元なのに、レッドシャドーのヘルメットは顔が見えるのだ。
 映画では、そのいい加減さが指摘されて批判を受けていた。しかも映画では宇宙空間で活躍したが、異次元で戦闘などした事などない。
そこまでアホではなかったのだ、映画を作ったバーグは。
しかしこれは、いただけない・・・。
 だが、客席は大歓声へと変わった。
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