5頁

文字数 742文字

 『キャプテンレッドシャドー!キャプテンレッドシャドー!レッドシャドー!』

まるで子供達のヒーローショーだった。
金持ちは段々と、子供に成るものなのかも知れない。
泣いていた御婦人も笑って応援していた。
ロープは引っ張ると緩んだ。
何だ形状記憶のロープか?
 すると、キャビンの扉を開けてキャプテン・レッドシャドーが入ってきた。
そして悪党共を薙ぎ倒すと、死体を仲間の黒子と共に引き摺って片付けて。
ユニコーンの上に乗せると、手を挙げて挨拶をして去っていった。
客席は拍手喝采のスタンディングオベーションだった。

 私はバカバカしかった。
が、何よりも私を騙したバーグに怒り心頭だった。あの野郎病気だ、まったく。
待て、隣のおっさんは?と見ると居なかった。
しかもシートの血が綺麗に拭き取られていた。
そんな事にも気が付かなかったとは。
だが死んでいたぞ。あいつまさか、演出の為に人を殺したのか?
 私は面倒な事になったなと思ってしまった。

 私達は目的地に着いた。
その場所はゲートでは行く事が出来ない。
何故なら、そこは銀河ではないからだ。
最近、植民と言う名目で開発された、アンドロメダ星雲の端にある惑星だった。
 アンドロメダにも人類はいた。
そして、我々と同レベル又はそれ以上の、
オーバーテクノロジーを持つ者が。

 だから銀河連邦は、情報を得る為に。
この惑星に植民地を造ったふりをして前線基地を造ったのだ。
 ところが、これが厄介だった。
政府としては、安全な場所にしか植民地は造れない。これが、アンドロメダ星雲への侵略行為なのだと、公然とした秘密を民衆にバラす訳にはいかない。

 そこで、この地はならず者、犯罪者。
そして、諜報活動をするスパイと軍隊の坩堝と化していた。
私達が好む、血沸き肉踊る無法地帯が、
そこにはあったのだ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み