6頁

文字数 688文字

 宇宙港に降りると皆は、お迎えのリムジンで去って行った。
 一体何者達なのだ・・・。
人の事は言えないが。
客は30名といなかったろう。
 私はタバコに火をつけた。どんなに分煙をしても、狭い船内。
私はタバコを遠慮していたのだ。

 見知らぬ惑星に行くといつも思う。
星によってタバコの味が変わるなと。
いや同じタバコなのにだ。空気が匂いが違う。
それが私の、場所特定の目安となっていた。
 フフ来たな・・・。この無法者の星。
アンドロメダの端にある星。
だから、アンバーがこの星の名だ。

惑星アンバー、私はある男に会いに来たのだ。
すると、私に走り寄る男がいたバーグだった。
彼はニコニコ笑いながら、必死に私に近寄って来ていた。鬱陶しい男だ。

「レイモンド!レイモンド!待ってくれ!」

 私は振り向き、タバコを吹かした。
風でタバコの煙が棚引いた。
もうすぐ夕暮れが訪れようとしていた。
尤もこの星は、これからが長い。
真っ暗な夜は、僅か数時間しかない。
だから悪い奴と不良中年には、もってこいの
遊び場なのだ。

「何だ?誰かと思えばバーグか。こんな所で
映画の撮影か?君も好きだな」

私は惚けた返事を返した。彼は息を整えると、

「済まなかったレイモンド。
だけど見てくれただろう?どうだった?
あの演出!凄かったろう信じただろう?
なっ?!レイモンド、感想を聞かせてくれ!」

 まったく、この男ばかりは。
私は興味の無さそうな顔をしながら、

「ああ、あの茶番劇か。まったく君は、
私を驚かせる為に、人を一人殺したのか?
それともあれは、演者が気負いすぎたのかな?
知らぬぞ、無法地帯と言っても、人殺しは良くない。有名な君でも強制労働は免れないな」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み