第4話
文字数 674文字
マンションに帰ったしのぶは、途方に暮れていた。服を着替えることもできず、これからどうすればいいのかと、思いを馳せていた。陸はきっと、和也のことが好き。
だが、しのぶにとって安部和也のことは、今でも、考えただけで鳥肌が立つほどの拒否反応。
しのぶは何時間も静寂に支配されていた。
トゥルルル
スマホが鳴る。
しのぶは重い瞼を開け、画面の上で親指を滑らせる。明日香からのメッセージだ。
「居酒屋は閉店で追い出され、コンビニも近くになくって、空いているお店は全然ない。和也がトイレに行きたいと言い出し、でも路上でしたところを捕まったら社会人として万死に値する。
しのぶの部屋のトイレを使わせて」
居酒屋からすぐのところにしのぶの一人暮らしのマンションはあった。
「いいよ」と返事をしてから、テーブルにマグカップを二つ置いた。
さっきまで男がいたと男の影を匂わせる。そうすることで和也の思いを断ち切ることができるのではないか、そう考えた。
それから、トイレに行き、便座を上げた。これで男の存在は、少々鈍感な人間でも察することができると考えた。
ピンポン
チャイムの音で玄関を開けると、明日香が「まだ、着替えてなかったんだ」と、つぶやいた。
和也をトイレに案内しようとした時、陸がするりと前に出た。
「ごめん、僕の方がやばくて、先に行かせてもらうことになった」
陸はするりとトイレに消えた。
トイレから出た陸は、少し青い顔をしていたが、ドタドタとトイレに入る和也の勢いで、誰もそのことに気づかなかったようだった。
みんなは、トイレだけが目的だったからと早々に立ち去った。
だが、しのぶにとって安部和也のことは、今でも、考えただけで鳥肌が立つほどの拒否反応。
しのぶは何時間も静寂に支配されていた。
トゥルルル
スマホが鳴る。
しのぶは重い瞼を開け、画面の上で親指を滑らせる。明日香からのメッセージだ。
「居酒屋は閉店で追い出され、コンビニも近くになくって、空いているお店は全然ない。和也がトイレに行きたいと言い出し、でも路上でしたところを捕まったら社会人として万死に値する。
しのぶの部屋のトイレを使わせて」
居酒屋からすぐのところにしのぶの一人暮らしのマンションはあった。
「いいよ」と返事をしてから、テーブルにマグカップを二つ置いた。
さっきまで男がいたと男の影を匂わせる。そうすることで和也の思いを断ち切ることができるのではないか、そう考えた。
それから、トイレに行き、便座を上げた。これで男の存在は、少々鈍感な人間でも察することができると考えた。
ピンポン
チャイムの音で玄関を開けると、明日香が「まだ、着替えてなかったんだ」と、つぶやいた。
和也をトイレに案内しようとした時、陸がするりと前に出た。
「ごめん、僕の方がやばくて、先に行かせてもらうことになった」
陸はするりとトイレに消えた。
トイレから出た陸は、少し青い顔をしていたが、ドタドタとトイレに入る和也の勢いで、誰もそのことに気づかなかったようだった。
みんなは、トイレだけが目的だったからと早々に立ち去った。