第5話
文字数 477文字
その夜、相澤陸からしのぶにメッセージが入った。
「ちょっとびっくりした。僕も君と似た仲間だから、安心してね。今日、僕は失恋したんだ」
相澤陸は、安部和也のことがやはり好きだったんだ……しのぶは天井を見て、ため息をついた。私たちの恋は実らないのだろう。
「君が仲間だとは思わなかった。勝手に仲間なんて言ってごめんね。僕は男だけど、男の人が好きで、女の人には興味がないんだ。
君は、女の姿をしているけど、男だったんだね。便座が上げてあって、初めて気づいた」
ちょっと待って、私、女だし、いや、ちょっと待って……。相澤くんは勘違いして自分のことをカミングアウトしたのに、頭ごなしに否定するのは、相澤くんを傷つけることになる。
そんなことを考えてしのぶは奥歯を噛み締めた。
「君は、パートナーは、男がいいの? 女がいいの? 男がいいとして、和也のことをどう思う?」
返事を躊躇していたら、また、メッセージが届く。
「パートナーは、男がいい。安部くんは苦手」
しのぶは、震える手でそう書いた。
「わかった。和也のことは任せて」
そのまま、プツリとメッセージは来なくなった。
「ちょっとびっくりした。僕も君と似た仲間だから、安心してね。今日、僕は失恋したんだ」
相澤陸は、安部和也のことがやはり好きだったんだ……しのぶは天井を見て、ため息をついた。私たちの恋は実らないのだろう。
「君が仲間だとは思わなかった。勝手に仲間なんて言ってごめんね。僕は男だけど、男の人が好きで、女の人には興味がないんだ。
君は、女の姿をしているけど、男だったんだね。便座が上げてあって、初めて気づいた」
ちょっと待って、私、女だし、いや、ちょっと待って……。相澤くんは勘違いして自分のことをカミングアウトしたのに、頭ごなしに否定するのは、相澤くんを傷つけることになる。
そんなことを考えてしのぶは奥歯を噛み締めた。
「君は、パートナーは、男がいいの? 女がいいの? 男がいいとして、和也のことをどう思う?」
返事を躊躇していたら、また、メッセージが届く。
「パートナーは、男がいい。安部くんは苦手」
しのぶは、震える手でそう書いた。
「わかった。和也のことは任せて」
そのまま、プツリとメッセージは来なくなった。