第16話 自分の淫乱を気にする有希とそんな有希を誘う伸

文字数 560文字

 伸くんはさ、僕のこと、淫乱だと思う?
 なっ……。いきなり何を言い出すんだよ
 だって、いつも僕のほうからキスしたり誘ったりしてばっかりで、あんまり伸くんのほうからしてくれないから……
 だが、すねる有希を見て、伸は噴き出した。
 ……何?
 だって……
 笑っていて、言葉が続かない。なんだか感じが悪い。
 だって何さ
 だって、いつもユウが積極的だから、俺から誘う隙がないんだよ
 それって、やっぱり僕が淫乱ってこと?
 まぁ、そういうことになるかな

 自分で聞いておきながら、はっきりそう言われると、なんだか面白くない。


 だが、伸が、笑顔のまま言った。

 別に俺は、それが悪いとは思っていないけど
 ……え?

 ユウがいつも俺を求めてくれるのは、すごくうれしいし、ユウって、華奢であどけなくて、全然そういうふうに見えないのに、そのギャップが、すごく魅力的なんだよ。


 天使のようなかわいい顔の下で欲情しているのかと思うと、たまらない。俺だって、淫乱だよ

 そう言う伸の表情がセクシーで、体中が熱くなる。
 伸くん……
 それなら、今日は俺が誘うよ。ユウと熱いキスをして、服を脱がせて、体の隅々まで確かめて、くたくたになるまで愛し合いたい
 伸くん……
 伸が両手で有希の頬を挟み、唇が重なったかと思うと、すぐに舌が入って来る。早くも体の奥が疼き始める。
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