第14話 カミングアウトを決心した伸と伸の気持ちがうれしくて涙がこみ上げる有希
文字数 492文字
伸の母が出て行ったドアを向いたまま立ち尽くしていた伸は、有希の声に、ようやく振り向いた。まだ呆然とした表情で戻って来ると、ゆっくりと椅子に腰かける。
まさか、伸の母がいきなり訪ねて来るとは思わなかった。伸が、虚空を見つめたまま言った。
不意にまた、涙がこみ上げ、有希は、そんな自分に呆れる。伸の気持ちが、とてもうれしい。
有希は、思わず笑った。