第21話　魔笛の主題による変奏曲

この頃、瞑想していると頭のてっぺんが上へ、天？空？へ、とにかく上へ行く感じになって仕方ない。

その先はどっか知らないところなんだろうけど、上へ上へ引っ張られる感じがして。

引っ張られたい、行きたい感じ？

自分の意思も働いているんだろうけれど。

胸がすーっ、とする感じ。

── 上か、前。

右左、斜めはない。下もない。

なぜ存在しているのか、ここにいるのか、も

あまり考えなくなった。

いる。ある。それだけ。

上へ、行きたがってる？

上じゃないな、やっぱり天とか空とか、そういう上。

上下でない、上。

すでにあるそれと、ここにあるこれが、溶けあってく感じ？

そんな、悪くない。

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… 前話の「大ミサ曲」の演奏者、合唱する人たちを見た。

いろんな人がいるって、面白いんだよな、やっぱり。