第11話 レクイエム 二短調 K.626

文字数 193文字

何でもかんでも速いばかりの時代に、このゆったりさは貴重だろう。


スピードばかりを求められちゃ、魂だって擦れる一方だ。


録音が古いせいか、音も割れ気味だけど、それも味だろう。時間の洗礼を受けて…


今や、時間の洗礼を受ける前に、次の時間が押し寄せてくる。人も物も、精神さえも流されちまう。


もう、変えることはできない。帰ること、かな。


せめて、心、きれいにしたい。唐突に。


まわりは、よくわからんから。

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