第23話 交響曲第33番 K.319

文字数 713文字

感動。

感動とは?


感動するとは??


鳥肌。涙。

身体からの反応だ。

反応して、感動する、と言葉が言う。

後づけだ、言葉は。

理由も後づけだ。


「大ミサ曲」はいろんなものが詰まってる。

軽さ、重さ、やさしさ。厳しさ、哀しさ、喜び。

それが一曲になる。なっているのだ…


感情、うつろう心ってもの、一秒単位で変化する身体の中の…

身体は一体だ、でもこの中は動いている、さまざまなものが。

宇宙を思わざるを得ん…

黒く、暗いが、星、回ってるものがある。たぶん全体が回ってる、

この黒い空間も空間でなく、微細なものに詰まってる。

それはもう奇跡的なもので、こまかく、繊細で、微妙すぎて。


科学とかDNA、よくわからない。わかったとしても、その根源はわかるまい。

理解できるものじゃないんだ、永遠に。


詰まる、というと、キツイ感じもするが、その一つ一つは動いてる。

まるで余裕なく、ぎゅうぎゅう詰めなわけじゃない。

一つ一つが動いてる。

粒子、可愛く、素敵な、一つ一つの粒が。


暗い、黒い、全体としては、だからこれらの粒も明るく、光って見える。

すると、この暗い黒も、ただのそんなものでない…

色なんて、どうでもいいんだ。こんな表現をする言葉も。


呼吸をしていて、吸うも吐くも同じだと感じた。

吸う、吐く、これで一つだ。


ただ、死を想った。死は、そのうちの一つが失われること…

一つだったものが、そのうちの一つが、その運動、運動?を止めること…

一つの動きが止む。でも、その片割れ、一つだったものの、もう一つは、あり続けるという…

それは、たぶん元いた世界に帰って、そこで動き続ける、たぶん永遠に、「ある」という意識、「あった」過去、「あるだろう」未来、そんな時間も、それを意識するものも失くして…

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