第3話 スマートな部活のはずなのに!
文字数 1,843文字
いや、身内の活動内容やお財布事情くらい知ってるだろ。調査にならないじゃないか
いや、あいつ何してるかとかあまり教えてくれないんだよ...
だから調査という名目で確認しに来た
パソコン室が使えるって点では俺たち同様恵まれてますね~
だよなぁ。別にカツカツじゃなさそうなのに何をそんなに兄貴に隠すことがあるんだか...
まったく、化学部の言う通りだ。
おーい、兄が遊びに来たぞー!
僕たちは今各文化部の活動内容や懐事情を調査しているからな!
いや意味わかんないし…
調査って言っても、どうせあんたたちが勝手にやってる非公式のものだよね?
俺は忙しいの。…最近3Dプリンターを買っちゃったから財政は厳しいです、ハイ。
じゃ、そういうわけだから帰って
えっ、情報部くんのところついにあの3Dプリンターを導入したんですか!?
なんだぁ?もしかして兄貴を避けてんのは新兵器を隠しておきたかったからか~?
そうなのか!?別に興味深いからといって横取りしたりしないぞ!
とにかく、そういうことならもう僕に隠すことはないな!
いざ部室の中へ―
PC室内、真面目に活動する部員が数人。他にゲームをしたり宿題をしたりしている部員(?)が数人…
確か情報部くんは新入生たちに人気だったはずですが…
データ上の入部契約者数は多いけど、実際は幽霊部員がほとんどってとこか
あーもー!だから来ないでって言ったのに!
プログラミングとかモデリングって聞いて最初は人が集まって来るんですよ!
でもあいつら飽きっぽいし…これでもたまに最新機器とか買って呼び戻してるけど、またすぐ来なくなるし…
てか元々遊ぶ場所が欲しくて入ってくるやつも多いし…
確かに溜まり場を確保するために文化部に入部する輩もいるもんなぁ…
文芸部とかそういうのに容赦ないけど
俺だって文芸部先輩みたいに「やる気のないやつはお断り!!」って言いたいけどさ…
予算のためには部員数も必要だし、なによりみんな最初はPCに興味を持って入ってくれるからさ…
俺たちのところにも幽霊部員はいますけど、熱意ある子の方が断然多いですからね。
なんだか情報部くんのところではきちんと活動している子たちの方が肩身が狭そうです…
でもこいつらスキルはすごいんですよ!!資格持ってるやつとか、自作ゲームを販売してるやつとか…
ふむ...元々専門知識がある部員とそうでない部員との温度差も文化部が抱える問題かもしれないな...
そうですね...特に情報部くんのところでは技術指導できる先輩よりも新入生の方が圧倒的に数が多いですし、その新入生もそこまで熱意がない子たちばかりだと...
うーん、そのへんはうちの課題だなぁ...
...ところで化学部先輩はさっきから何してるの?
え?せっかくだから3Dプリンターで遊んで帰ろうと...
あっ!これもしかしてT2ファージさんですか!?
いつの間にモデリングを?
おめーらが真面目な話している間に...ってのはさすがに冗談だけど、物好きな部員が途中まで作ってたからさ...仕上げをしたわけ
オレ的には分子とか作りたいんだけどねぇ
部屋に飾っておきたいくらい美しいのもあるし...
というわけでT2ファージは設計者くんに差し上げよう...あ、いらない?
じゃあ生物部にやるよ
...やっと帰った。はぁ...なんか納得いかないけどあの人たちの言う通りガチ勢とライト層の差をなんとかしなきゃだよな...
勧誘動画とか部のHPはやたら凝ってるけど、たぶんそういうのじゃない気がする...
文化部さんファイル5情報部:物理部の弟。「PC部」、「マルチメディア部」、「ゲーム部」など色んなあだ名がある。ゲーム開発やWebデザイン、3Dモデリングなどを行う。兄よりスマートなつもりだが、やはり童心の塊である。最近3Dプリンターを買った。
流行りをおさえているので一定の人気はある。しかし入部した一般生徒の大半が1年以内には幽霊部員と化してしまうのが悩み。あと大きな買い物をしたせいでお金がない。
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