一章　パラグラフリーディング

　別府と未堂棟は大村家の水騒動を調べるために、蛇崩町へとやってきた。別府は、到着した矢先、異常な天候を目撃する。別府はあまりの事態に、表通りを走っていた水屋、瑞木新七に声をかける。くわしい話をきくことにした。
　瑞木との会話によって、異常気象は日食によるものだと知る。
　別府の疑問は晴れた。ふたたび、大村昌村の住む下屋敷へと歩みはじめた。
　別府と未堂棟は同心の仕事で、蛇崩町へと来ていた。過去の殺人事件を再調査するためだ。大村家の領主、大村昌村が作間藤三郎を殺したという疑いを調べるためである。大村家と藤三郎は飲み水の供給について揉めていた。ある日、長屋で藤三郎の惨殺死体が発見される。
　犯人は大村家のものだった。大村昌村の部下が勝手に藤三郎を殺したらしい。その部下はすでに腹を斬っていた。大村昌村は責任をとる形で、下屋敷の土倉に蟄居していた。
　しかし、奉行所の命令を受けた同心が再調査すると、真実がことなる可能性が浮上した。大村昌村によく似た男が長屋で目撃されていたのだ。昌村が直接、殺したのかもしれない。
　こうして、武家身分にも強く対応できる別府と未堂棟に仕事がまわってきたのである。別府たちは裏口をとおる。大村家のお付きの侍、佐々木五郎と会った。当時の事情をたずねた。真実をたしかめるために、大村昌村との面会を申しいれた。