七章 パラグラフリーディング

文字数 528文字

 別府と未堂棟は経子のもとへと向かった。彼女のいる西区画まで、三つの木戸があった。下屋敷から西側の長屋街まで長い道のりだった。別府は空き地にいる経子を見つけた。殺人事件のあらましを伝える。経子は勤め先の破壊を知り、憔悴しているようだった。
 凶器のはいった風呂敷が町内の反対側で見つかったことは、経子のアリバイを強固にしていた。そこで別府は蛇崩池の濁流を利用したトリックによって、彼女のアリバイを崩そうとする。
 しかし、未堂棟の示唆急文により、実行が不可能だったと反証された。風呂敷にはいった証拠品が道の横幅をこえるからである。
 別府はつぎに佐々木を共犯としたトリックによって、経子のアリバイを崩そうとした。しかし、未堂棟の示唆急文と、とおりかかった瑞木新七の証言によって、ふたたび、否定されてしまった。蛇崩池の氾濫は佐々木の殺されたあとに起きたらしい。ほかに手掛かりはなかった。
 経子の犯行は、現状の情報では不可能だと判断するしかなかった。経子を自由の身にした。瑞木は剣術道場へと飲み水を補充に向かうらしい。容疑者ふたりとわかれる。
 別府たちはつぎの容疑者、作間政信のいる門前町へと向かうことにする。政信が馬にのれるという事実が、彼への疑いをふかめていた。
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