八章 パラグラフリーディング

文字数 517文字

 別府は作間政信が馬にのって、蛇崩町と湯島を往復したと考えていた。しかし、街道沿いの問屋場は警備が厳重であり、馬をもち出せず、湯島の門前町に牛馬をいれることは禁止されていた。
 町の外に駿馬を用意したとも考えたが、道中にある山々を馬でこえるのは不可能だと判明する。行き詰まったかと思われたが、周辺の地図によって、河川がとおっていることを発見する。
 四つの河川は蛇崩町までつづいていた。小舟を使えば、移動時間を短縮することができる。作間はこの仮説を反証することができなかった。
 彼は四つの河川のどこかで工事をしていないか、確認をとるようにたのんだ。役人に確認させているあいだ、作間からほかの容疑者の背景を聞いた。別府にはとくに気になる話があった。水騒動で殺された作間藤三郎が、変死体を上野の仕業だと疑っていたことである。
 のちに、河川が封鎖されており、作間のアリバイが崩せないとわかると、別府たちは上野のいる蛇崩町にもどろうとした。そのとき、部下から驚きの報告がとどくのであった。上野左衛門が下屋敷の書院に侵入したところを捕らえられたのである。
 上野が証拠を隠滅しようしたのかもしれない。
 別府と未堂棟は急いで蛇崩町にもどることになった。
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