怪物の嘆き

文字数 272文字


おお、神よ
何故 汝は生命という罪を創り給うた
おお、神よ
何故 汝は心という咎を与え給うた

雷鳴轟く闇天は さながら地獄の伏魔殿
天地逆転たる その夜に
我は魔王(サタン)に背を押され
普遍の死を滅したり
追い求めし幻想は
近きにありて なお遠く
人恋しい孤独が(おの)が刃の研ぎ石か
湖面に写る醜き鬼こそ
優しき心を厭うといえど
嗚呼、思うまい 人の世とは何ぞと
愛も憎悪も情も卑屈も
全ては等しく鏡の虚像
されど確かなる運命の原罪

おお、神よ
汝に万物への愛があるというならば
我にも等しくそれを示し給え
おお、人よ
己が満身を美徳とする事なかれ


(Image for フランケンシュタインの怪物)
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