同窓会(2024.9.22)

文字数 249文字

君が好きだった
と嘘を言う

君が嫌いだった
と言えないから

無視できなかった
心の高ぶりを

何か言わなきゃ
飛びかかるところだった

君が嫌いだった
と言ったら

たぶん
殴り合いになっていた

僕は彼が嫌いだけれど
それよりも喧嘩が嫌いなのだ

彼は
ありがとう
と笑った

人を馬鹿にしたような笑顔が
大嫌いなので
僕も真似てみた

彼は
変な顔
とまた笑った

もはや
腹も立たない

やはり
嫌いだ

彼に
変な顔
と言い返す

はじめて抗われて
彼はひどく揺れる

嫌いを超えて
可哀想に思えてきた

彼も
似た者
なのだ きっと

同窓会に参加した目的を果たした僕は
さっさと会場を出る
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