逆転オセロニア LAST DREAM 合コン 

文字数 5,798文字

私は、大切な友に魔剣を託されたのだ、悪の心を持たずして、その魔剣を振るえと。

「オホホホ、ヘルヴォルちゃん、魔剣はアタシが戴いたわ。」

「サタン、なぜ私の魔剣を盗んだんだ。」 

「それはこれのため、受け取りなさい。」

ヒュ
  
突然、サタンに投げつけられた紙くずを私は広げた。
「いきなり何なんだ、なんて書いている。
七罪主催お見合いパーティー!!!」

一週間後

「ここが会場か、黒の大地にあるのはわかるけど、しかし見るからにして街のレストランと言うものなのだが。」

「アナタもここに呼ばれたの。」

「その声は、ヨシノ。」

「えぇ、アナタはヘルヴォルで良いかしら。」

「まぁ、そうだな。
もしかして、サタンに。」

無言で頷いた、やっぱりあの魔王のことだし、やりかねないわね。
 
「あの魔王、次会ったときは、ハバネロ入りのピザにタバスコをかけたものを無理やり食べさせてやる。」

「しかし、一体どういうものなのかしら、合コンと言うものは。」

「何ぃー、アナタ達知らないでここに来たの!!!
合コンと言うものは、男と女の壮絶バトル。
自分の趣味、嗜好、得意分野、全てをさらけ出して相手の人がどれほど自分を認めてくれるのかのバトルよ!!!」

「いきなり、ゼルエルさん、どうしたの。」

「はい?
ヨシノさん、どうしたんですか。
ゼルエル、そんな人知りませーん。
第一、何で天軍で力の天使と呼ばれる人が敵の七罪主催のパーティーに出ているの?
もし、出ているのなら目的は、かわいいイケメンの男子を見に来て、目の保養をしたいだけと言う不純な目的ですね。
それと自己紹介遅れたけど、私の名前は、ゼルL。」

「やっぱり、ゼルエ・・・。」

「ノンノンノン、ヘルヴォルさん、私の名前はゼルL。
スピーキィング。」

「ゼルL・・・。」「ゼルL。」

「オーケー、二人とも良い子ですね。
では、合コンにレッツゴー!!!」

「無理やり言わされた・・・。」

「ここがレストランと言うものね、香ばしいお肉の匂いとコーヒーの焦げた良い匂いがするわね。 
おや、もう男性方は来ているわね。」

「いらっしゃいませ、お客様、予約の3名様でよろしいでしょうか。」

「オッケー、では二人とも早速、合コン相手のところに向かいましょう。」

十分後・・・

「僕の名前はフィリウス。
僕のことが心配で隣に精霊様もいるけど気にしないでね。」
「よろしくお願いします。」

後ろに精霊様と言う保護者がいるんだけど、この子サタンになんて言われたの。
それも隣のゼルエルが凄く、ハァハァハァと興奮して鋭い目つきでいるんだけど、絶対、ロックオンしているわね。
大丈夫なの、精霊様と言う巨大な壁がいるんだけど、精霊様もゼルエルの気配を感じているのか、何か私達を睨みつけているだけど・・・。

「吾輩は、悪魔メフィストフェレスですなぁ。」
いや、何でアナタがいるの、絶対私達をあざ笑う為に来たわねこの悪魔。

「我が名はルシファー、七罪の王だ。」

いや、いくら七罪(サタン)主催だからって、サタンが出ないで七罪の王を出しちゃたのよ、これで恋人にでもなったら白の大地を歩けなくなるわよ。

「私は妖刀使いのヨシノです。」

「私は魔剣使いのヘルヴォルだ。」

「最後に私は、Unknown Angel《謎の天使》、ゼルLです☆
フィリウス君、よろしくね。」

何やっているのゼルエル!!!
もう、君付けだよ、大胆すぎる。 
精霊様は・・・怖すぎる、精霊ってあんな顔できるの、ぶっちゃけ怒ったジェンイー師匠よりも怖い顔になっているんだけど。

別の部屋から、モニター越しに見ている黒い翼の生えた魔王と後ろに女性の魔王が見ていた。

「オホホホ、良いわ良いわ、この展開を待っていたわ。
これなら、動画投稿サイト、オセチューブで100万回視聴も夢ではないわ。」

「おのれぇぇぇ、サタン!!!
なぜ、ルシファー様もいるのだ。」

「まぁまぁ、ルシファーちゃんも、
そうか、今、巷では合コンと言うものが流行っているのか。
まだまだ、私の知らない世界があるというものか、それを体験するというものもまた良いものかもしれないな。
って言っていたんだし、別にアタシが勧めたんじゃないのよ、アタシはただ、紹介しただけなんだから。」

「そうなのか、ルシファー様がお望みになられたなら私は何も言えないわね・・・。」

「さぁて、次は趣味、嗜好などの自己紹介に入るわよ。」

「僕の趣味は、色々な魔術の本を読むことが好きです。」
「(フィリウス、それで良いのよ、それとあの天使ずっと私のフィリウスだけを見ているんだけど本当にムカつくわね。)」

「そうですかフィリウス君、もし良かったら私の部屋に来ませんか、私の部屋にならたくさんの本がありますから。」

「そうなんですかゼルLさん、ぜひ連れて行ってください。」

「(私の私のフィリウスを。フィリウスを!!!)」

また、ゼルエルは少し自重してくれ、完全に言動が不審者そのものだぞ。
それも精霊様も今にも攻撃してきそうなんだけど。

「では次は吾輩ですなぁ。
吾輩は金魚屋を営んでおり、お客様がたの金魚を掬う姿を見て、その魚に・・・。
いいえ、お客様の掬いながら楽しんでいる姿が好きなことですなぁ。」
 
「人の喜ぶことを仕事にしているんですね。 
とても、良いことですね。
それと、私にもその金魚掬いしてもよろしいでしょうか。」

「それは、ありがとうございます、ヨシノさん。
それと奇遇ですなぁー、吾輩ちょうど店の外に金魚掬いを準備していたんですなぁ。
良ければ、金魚掬いして見ませんか。」

「えっ、いいんですか、是非やらせてください。」

「毎度ありですなぁ。」

怪しいな、この悪魔もしかして魔界の巨大怪魚でも金魚代わりにしているんじゃないのかな。

十数分後・・・

シュー

「ありがとうございます、メフィストさん。
金魚掬いとは、こんなものだったんですね。」

「はい、そうです・・・。」

目の前には、丸焼きになった魔界の巨大怪魚が香ばしい匂いを出しながら皿に盛られていた。
やはり、メフィストは怪魚でヨシノを驚かせようとしたが、ヨシノは怪魚と戦うのが金魚掬いと勘違いして、サタンに一時的に返してもらった妖刀で蒼き炎で丸焼きにしてしまった。
メフィストは、かなりのショックだったのだろうか先ほどの怪しげな陽気さは、何処かに行ってしまった。
悪いこと考えるからだよ。

「ところでルシファーさんは、どんな趣味があるんですか。」

そう言えば、この癖の強いお見合いに対して表情の一つも変えていないわねこの堕天使、さすが世界を問う者、七罪の王と言うべきなのかもしれないね。
一体、どんな趣味を持っているものなのか。

「ふむ、いやすまないヘルヴォルさん、わざわざ貴殿から質問させてしまって、私の趣味か。
私は、最近、サタンに進められて食べ歩きと言うものをしている。
その中でも白、黒両方の大地に点在するお店に行って沢山のパンケーキを嗜めている。
パンケーキと言うものは、本当に美味しいものだと私は、思う。」

いやいや、そんな綺麗な顔と声でパンケーキが好きとか言ったら、誰だってギャップで萌えてしまうでしょう。
しかし、あの七罪の王が好きなパンケーキとはどんなものなのか。

「そのルシファーさんがお気に入りのパンケーキを売っているカフェはどんなところですか。」

「ふむ、どのパンケーキも格別だが、あそこは中々素晴らしいところだ。
その名は、パン屋のウィートだ。」

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
なぜ、ここでウィート!!!!!!

 サタンの魔王でも分かる、オセロニア小説、炭酸飲料時空設定。

「パン屋のウィートとは、ヘルヴォルの友人であるウィートが経営しているパン屋よ。
ヘルヴォルちゃんは、いきなり友人の名前のパン屋がルシファーちゃんのお気に入りと聞いて、とても驚いたのよ。」

「おのれぇぇぇ、ヘルヴォル!!!
このままでは、私が出し抜かれてヘルヴォルとルシファー様が結婚してしまう。
私もウィートと言うパン屋の男と友人にならなければならない!!!」

「結論、そこじゃないと思うけど、ベルゼちゃん。」

Now loading・・・

それから、私達三人も様々なことを話した。

「フィリウス君、私の休日はぬいぐるみを集めており、そこで自分の街に住んでいるの子ども達に遊び場を作ったりしますね。」

「やはり、天使様ですね、休日だとしても人々の幸福を作ったりするんですね。」
「許さない許さない許さない許さない!!!
私の私のフィリウスをぉぉぉ!!!」
そこは、まるでリンボ(地獄)であった。

「好きな花の色ですか、赤色ですね。」

「ヨシノさんはローズが好きですかなぁ、中々ロマンチストですなぁ。
(皆さん、あんなよく見る薔薇の何がいいんですかなぁ。)」

「いいえ、違います、赤い彼岸花が私は好きです。」

「おぉ、そうでしたか、彼岸花ですかなぁ。
いやいや、それは失礼しました。」

「彼岸花を好きな人なんて誰もいませんよね。
私は大切な人、家族を妖刀によって失わせた。
私は本来幸福なんて味わってはいけないよね。」

「彼岸花の花言葉は、再会。
本当は、アナタが彼岸花のことが好きなのは、その再会を願っているからではないのですかなぁ。」

「・・・。」

「では、ここで契約をしませんか、吾輩に次の日、一日だけ夜の空を出かけると言うことをしてくださる代わりにヨシノさん、アナタを一日だけ冥府に連れて行き、その家族と大切な人と再会しませんか。」

「そんなことできるの。」

「ご心配いりません、吾輩は悪魔です、一度契約したことは絶対に破ることはありませんなぁ。
悪魔とは、天界や冥府の神であろうとも契約の中なら騙せる道化ですからなぁ。」

「ウッ、ウッ、ありがとうございます。」

良かったね、ヨシノさん。

「感傷に浸っているところをすまない、ヘルヴォルさん。」

「は、は、はいっ、なんでしょうルシファーさん。」

「私から貴殿に頼みがある。
私と付き合ってくれ・・・。」

「はいっ、今何て言いましたか?」

「私と付き合ってくれ、ヘルヴォル・・・。」

「なぜ、いきなりですか。」

「君のその灰色の髪、その幾多の戦場をくぐり抜けた表情。
そして、その魔剣の呪いに囚われている君を救いたいと思っている、その為に私は来たのだから。」
だからって、いきなり顔を近づけないでほしいんだけど、ちょっと私照れちゃう。

「おめでとう、ヘルヴォルさん。」
「おめでとうございますなぁ、ヘルヴォルさん。」
「おめでとうございます、ヘルヴォルさん。」
「精霊様もアナタの幸福を願います。」
ヨシノ、メフィスト、ジュリウス、精霊様、皆、私を円のように囲んで一体どうなっているんだ。

「あなたには、負けたよヘルヴォル。」

「おめでとう、ヘルヴォルちゃん。」

いつの間にかベルゼブブもサタンもいるし。

「はっ?はっ?はっ?」
私は、何が何だか理解ができなかった、んっゼルエルさんはどうしたんだ、私の前に歩いてきて、手を握って話しかけてきた。

「ヘルヴォルさん、親切なおばあさんには気をつけてね。」
一体、何のことなのかさっぱり分からない。

パチッ
目が覚めると、木製の天井が映っていた、そうか私はやっぱり夢を見ていたのか。 
確か、ここは自宅だね、目の前にうん、おばあちゃん???

「ヘルヴォルさん、起きたわね。」

「私は・・・。」

「寝ぼけているのかね、あなたは、何で魔剣を枕にしているのかしらね?」

確か私は・・・。

「寝ながらのココアはいいものだ。
あっ、手が滑った。」

ビチャ

「あら、やってしまったわ。
枕、ココアで汚しちゃった、よし明日洗おう。」

数十分後・・・ 

「眠たくなってきた、枕ないと寝られないのよ。
そうだ、ちょっと硬いけど我慢すれば。」

「何か思い出したのかね。」

そうだ、自分、魔剣を枕代わりにして寝ていたんだ、だからあんな訳の分からない夢を見てしまったんだ。
ところで、このおばあちゃんは一体何者なんだ。

「それで、何でここにおばあちゃんがいるの・・・。」

「イヤだね、散歩に出かけたら、道に迷った老婆が必死に歩いてきたらここにたどり着いたのよ。
ところで、重そうじゃないヘルヴォルちゃん、その魔剣を持ってあげようか。」

「ありがとうございます、おばあさ・・・。
貴様、サタンだろう!!!」

「えぇぇぇぇ、何でバレたのよ!!!」

「夢の中でゼルエルさんが教えてくれたのさ、それと見知らぬ老婆がなぜ私の名前を知っているなのか、疑問に思う点が多々あった。
そこからもう、アナタの野望は潰えた、ヘルヴォルパーンチ!!!」

バァーン

ヒュー
「やはり、ギャグ時空だからといって、すぐに同じ手を使用するのがだめなのね。
それにしてもモロバレとは、何だかとっても嫌な感じだわー!!!」

キランッ
星のような輝きを放って消えた、サタンを見ながら、外に出た私は思った。

「訳は分からないけど、面白い夢を見たわ。
それにしても、夢にも出てこなかったけどホーフンド、一体君は何処にいるんだい。」

私はそう言いながら、空を眺めた。
すると、流れ星がキラリと輝いた。 
私の願いが届けば良いな・・・。

 逆転オセロニア LAST DREAM 合コン  〜完〜





プシュー
「レクシア見て、こんなところにサタンが落ちているよ。」

「えっ、アルン、さすがに落ちているものじゃないでしょう。」

「安心しなさい、落ちてるわよ。」

「キャー!!!」

バサバサッ
「どうした!!!
レクシア達、お父さんが来たぞ!!!」

「うわぁ、これ一戦交えないといけないんじゃないの。」

「ガァァァ(手伝おうか、サタン)。」

「うわぁ、びっくりしたわ、ヴァラーグ、いきなり出てこないでよ。」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み