オセロニア学園 ぼくらのウォースタディー

文字数 6,631文字

ここは、私立学園オセロニア。
明るく、元気に、逆転的にをモットーとした学園で、日々様々な生徒が通っている。
今回は、そんな日々を描いた物語。

「はぁー、今日もガルム君はいないのですか。
また、屋上で寝ているのでしょう、皆さん今日はオリュンポスとメソポタミアの関係
についてを勉強しますので52ページを開けてください。」

歴史教師のオルプネー先生のいつものため息が聞こえる。
先生の言っていた自分と同じクラスのガルム、それが彼女の名前だ、いつも、授業中隣の席は空いている。
学園に来ていないわけではないが、授業中になるといつも屋上か何処かに眠っている。

おっと、紹介が遅れた、私はオセロニア学園2年C組の蘭陵王というものだ。
今、私は将来の夢に向かって日々勉強している毎日だ。

キーンコーンカンコーン

「はい、では今回の授業はここまで明日テストなので皆さん忘れないように。」
オルプネー先生が教室を後にした、今日も一日が終わりか、家に帰ってから勉強をしなければな。

「そうですね、歴史のテストは明日ですね。」

「えっ、ウソ嘘、そんなに近いの、マジで。
やばいな、アタシ次、良い点を取らないと本当に怒られるんだけど。
また何だけど、教えてもらっても良いかな。」

何の騒ぎだと思えば、ガルムが同じクラスで天文部のミアクレルとの会話か。

「ごめんね、ガルムさん。
私、今日、天文部でクジラ座の観測があるから、今日は付き合えないの。」

「そうだよね、アタシが悪かったわ、君の予定も考えていなかった。」

明日のテストの話か、確かに彼女はほとんど歴史の授業をサボっていたのが原因だが、そのまま知らないフリをするのは俺の心情としては一番嫌いだ。

「良かったら、俺が教えてあげようか。」

「えっ、良いの君、ありがとう。」

彼女の喜ぶ姿を見ていると、こちらまでも嬉しくなりそうだ。

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「蘭陵王君、本当にありがとう。
このお礼どうすれば良いのか。」

「別に気にしなくても良い、誰かと勉強したほうが自分も覚えやすいからな。」

「ちょっと、そこのお嬢さん達。
オセロニア学園の生徒だな。」

目の前に三人の男達が立っていた、確か彼らは、噂で聞いたことのある風貌だ。
確か、集団で各地の学園を荒らして、どこかの学園を奪って校長になった人達だ。
三人の名前は、絶望オヤジン。

「怖がらくていいのだぞ、そうか自己紹介が足りなかったのか。
行くぞ、貴様ら。」

「おうっ!!!」

一体今から何が起こるんだ。

「絶望オヤジン、体育担当。
牛顔だけど二足歩行、硬いもの重いもの何でもお任せあれ。 
孫悟空は我が絶対に倒す、牛魔王!!!」

「絶望オヤジン、勉学担当。
ウサギじゃなくてパンのピーターに復讐を誓う。
胸からタコ足が出て来る体質で合コンでは百回中百回出会いがない。
俺を喰らった時計ワニ、ワニ革バックにしてやる、フック船長!!!」

「そして、最後に我、絶望オヤジンのリーダー、道徳担当。
サタン、ルシファー説も出てた我に恐れるものは何もない、早く我のアイドル駒を出せ!!!
我が魔術は絶望の牙、シャターン!!!」

ババァーン

三人の男の後ろから謎の爆発があったが今は気にしないでいよう。

「やばいよあの男たち、蘭陵王君早く逃げよう。」
逃げたいのは、山々なのだが逃げたとしてもすぐに追いつかれてしまうだろう。

「怖がらなくて良いんだよお嬢さん達、おじさん達はただオセロニア学園の情報を知りたいだけなんだたから。」
先ほど話していたシャイターンと言う男が微笑みながら、こちらに向かって来た、彼女を守ることも俺にはできないのか。 

「何をやっているんだ?
お前らは。」
ホウキを持ちながら黒髪と赤髪の混ざった和服の男がやってきた。
よく見れば、近所に住む神様、エンキおじさんだった。

「何だ、貴様は、お前には関係ないだ、ギャァァァァ。」
何ということだ、やはりエンキおじさんと言うべきなのか、ホウキを天に掲げただけであんな大男も竜巻で何処かに飛ばして行った
さすがメソポタミア神話の嵐の神と呼ばれることはある。


「ところで蘭陵王、こんなところで何しているんだよ。
もしかして、彼女さんか。」

「そんなはずはないだろう。
彼女は、ただ私と一緒に勉強をするだけだ。」

「そうか、そしたら二人で頑張れ、蘭陵王、いい青春を送るんだぞ。」

何で、エンキおじさんそんなこと言うんだろうか、私はまだ彼女のことが好きと言う感情ではないのに。
ガルムは、ニコニコしているが、今あのセリフでどのようなことを考えているのか分からない。

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「ここが蘭陵王君の家か、男子の部屋とか初めて入ったんだけど。」

さて、家についたのは良いのだが彼女が何処までのオリュンポスもといギリシャ神話のことを分かっているのかを尋ねないとな。

「ガルムさん、明日のテストに出そうな問題を出します。
ギリシャ神話の主神は?」

「ちょー簡単、もちろん、オーディーンだね。」

まぁ、誰にだって間違えはある、何問か出せば分かるものもあるだろう。

「ギリシャ神話の豊穣の女神は?」
「ネルガル。」

「ギリシャ神話の美の女神は?」
「アプスー。」

「北欧神話の主神は?」
「オーディーン。」

「メソポタミア神話の初代ウルクの王は?」
「テュポーン。」

「テュポーンはメソポタミアには、いませんよガルムさん。」

「えぇぇぇぇ、メソポタミアには、テュポーンはいないのー!!!」

「ガルムさん・・・。」
何ということだ、彼女は完全にギリシャ神話とメソポタミア神話がミキサーに掛けられたようにゴチャゴチャになっている。
しかし、北欧神話は完璧なのだが(地元には強いタイプなのだな)。

それもギリシャ神話の冥府の神を間違えたら完全にオルプネー先生に
「もうどうしようもない子ですね、ガルム君にはテストで百点取るまで抜け出せない、特別教育牢獄タルタロス教室で強制補習させていただきますよ。」
と言われて・・・。

いいや、そんなことにはなってはならない、学園、青春というものは友情を大切にしなければならない。 
それをやれ、人のことだから知らないなどの他人事のように捉えるのは間違っている。
彼女は北欧神話はできるんだ、ギリシャ神話だってきっとできるはず。

「お困りのようだな。」

「エンキおじさん!!!」

「良かったら、俺がその問題を解決しようか。」

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「そうか、ギリシャ神話とメソポタミア神話の区別がつかないのか。」

「そうだよね、その二つの神話一緒なんでしょう。」

「そんなわけあるか!!!
仕方ない、俺が苛烈的に教えてやる。

まずは、神話の始まりから言うか、ギリシャ神話の始まりはカオスと言う混沌から大地神ガイアが生まれ、そこから生み出した神々から始まった。

しかし対象的にメソポタミア神話では最初の神はティアマトと言う、大地神ガイアとは対極を為す、海の神であった。」

「神様も全員、お母さんがいるのね。」

「まぁそうだな、そこから二つの神話は始まってくる。
後は、自分で調べて覚えるしかないな。」

「ありがとう、エンキおじさん。
蘭陵王君、私、何か覚えれそうな気がしてきた。」

「分からないことがあれば、いつでも私に尋ねて構わない。」
そして、私達三人は、夜遅くまで神話について勉強した。

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チュンチュン

もう、朝か。
エンキおじさんは、いつの間にか帰っていってしまったか。
ガルムさんは、スヤスヤ眠っているのか、起こさなければな。

「いやー、マジで危なかった蘭陵王君がいなかったらいつものように起きれなかったわ。」

「もしかして、朝から学校にいないのは。」

「いや、恥ずかしいけど、朝全然起きられなくていっつも遅刻して、学校に来ているんだけどもう授業始まっているから、もういいかなーって思ってサボっているんだよね。
でも、このままじゃいけないとは自分でも分かっているんだけど、今さら学校の勉強しても追いつけないし、この調子だと三年にも上がれないし、ほとんど諦めているんだけどね。」

「そうなのか、もし君が良かったら、連絡先を交換してくれないか。
毎朝、電話して私が起こしてあげるよ。」

「そうなの、ありがとうぅぅ。
でも、蘭陵王君は何でそこまで私のことを。」

「昨日のガルムさんの勉強している姿を見ていると、君の真面目な姿勢に私も協力したいなあと思っただけだ。」

ザッ
誰なんだ、あの三人は・・・。
あっこれはヤバいな。

「久しぶり、オセロニア学園のお嬢さん。
昨日は邪魔が入ったが、今度こそオセロニア学園の秘密を聞き出してやる。」

昨日の三人か、ここで相手にしてしまうと、テストに間に合わなくなってしまう。
どうしようか。

「蘭陵王君、ここはアタシに任せて先に行って。
アタシは、別にテストをサボってもいつものことだから別にいいけど、君は将来の夢に響くかもしれないから。」

「バカなことを言うな、昨日の君の頑張りを私はムダにはしたくないんだ。
君は昨日の君ではない、今回のテストでそれを証明させるんだ。
だから、私も君を置いては行かない。」

「蘭陵王君・・・。」

「私が相手だ、来い絶望オヤジン。」

「話す気はないのか、ならば強引に喋らすまで、我がアイドル魔術を喰らうが良い、魔帝煉獄衝☆☆☆」
シャイターンの手のひらから角の生えた薄紫のドクロ状の魔力の塊が蘭陵王に襲いかかった。

「強力な魔力だが、多少は絶望オヤジン達を引き付けられる。
この間にガルムさんに逃げるように言えば、まだガルムさんでもテストに間に合う。」

「ゲイルディザスター!!!」
突然の叫び声とともに地面から空へと風が吹き上げ、シャイターンのドクロ状の魔力球体を空へと吹き飛ばされた。


「我の邪魔をするのは誰だ!!!」

「俺だ!!!」

「エンキおじさん。」

「貴様、また邪魔しに来たか。」

「おう、当たり前だ。
困っている人がいるとほっとけなくてね。」

「だが、次のようには行くかな。
フック船長、牛魔王、準備しろ!!!」 

「分かった、牛魔王、あれを準備しろ。」

「ヘヘ、了解。
奥の手起動。」

ガシャーン

牛魔王が持っていた自身の体よりも大きな鬼の形相をした鉄柱を地面に叩きつけた。
地面に隠れていた、青白い光を放った召喚式が姿を現した。

その召喚式は周辺一帯に書かれていた、これほどの大規模の召喚式を描いたのは何が目的なんだ。

「我ら絶望オヤジン軍団の隠し玉、邪悪なる悪魔像。
ハハハハ、見たかオセロニア界で史上最強の駒、唯一無二の最強レベルの特殊ダメージ量、全ての攻撃を1桁にするデバフ量などなど、勝てるかいいや勝てないな。
天使であろうとも、全てを炎に包む竜や世界を統べる神であろうともこの悪魔像の前ではアリのツメよりも小さく脆い!!!」
召喚式から徐々に通常よりも巨大な悪魔像の顔が現れた。

「蘭陵王、ガルム、まだあの悪魔像は完全には出現できていないその間に三人と悪魔像を叩く。」

「分かった!!!」

「よし、じゃあ蘭陵王は俺を援護してくれ。」

「分かった、エンキおじさん最高の嵐を巻き起こしてください。」
蘭陵王は、リュックに入っていたリコーダーを手に持ち替えてエンキに向けて、魔力を送った。

「おぉ、みなぎってくるぜ。
確かに蘭陵王、お前の覚悟は伝わった。

嵐とは星の声の指標だ!!!
この星の海が熱せられるなら嵐は山を崩壊させ、風は咆哮を上げながら巻き上げたものを鉄の雨と変わらせ、平地に大河をつくる豪雨が降り注がれよう!!!
これこそが苛烈なる嵐、テンペストブロウ!!!」


ビュォォォォォォォォォォ
「シャイターン、俺らはもう無理ー!!!」

「牛魔王、フック船長、これぐらい耐えろ!!!」

「もう、シャイターンしつこい!!!」

もう勢いでやってしまったのかもしれないが、風に耐えているシャイターンにガルムが召喚式から無理やり引っこ抜いた悪魔像を投げつけた。
悪魔像は、風に乗りながらシャイターンの顔面に直撃した。

「無理やりすぎるだろう!!!!」
シャイターンは、鼻血を出しながらそのまま風に乗って飛ばされていった。

数十分後、彼らは学園にある木に物干し竿に濡れた洗濯物のように木にぶら下がっているところを発見されたみたいだ。

発見者は、同じ学園で体育をしていたアタランテとウルだった。
「ウルさん、あれは何?」

「俺らには救えないものだよ。」

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こんなことをしていることよりも本来の目的である学校につかなければならない。

「後、何分なの、蘭陵王君。」

「後、一分で始業のチャイムがなる。
門が見えてきた、あっ門が閉まっている。」 
しまった、始業のチャイムがなる5分前に門が閉まるんだった。
 
「やっぱり、私は無理だよ。
次、頑張るしかないよ。」

ガシッ

「蘭陵王君!!!」

「ガルムさん、私は絶対に諦めたくないんだ、アナタの頑張りを、そしてアナタが前へと進む向上心も。」

「テンペストブロウ!!!」

背後から強烈な風が吹き抜けたと思ったら、いつの間にか教室の机の上にガルムさんと一緒に座っていた。
周りにいたクラスの友達は、驚きの表情をしながら見られた。

キンカンコーン

「はい、皆さん授業を始めますので席についてください。」
オルプネー先生がテスト用紙を持ちながら教室に入ってきた。

エンキおじさんありがとうございます、何とか間に合いました。

その日の帰り道、私は再びガルムさんと帰った。
「本当に今日はありがとう、蘭陵王君。」

「こちらこそ、ガルムさんがまさかあんな巨大な悪魔像を投げつけるなんて、正直驚きましたよ。」

「えへへへ、あのオジサン何かまたおかしな術を使おうとしてたからね。」

「よっ、蘭陵王、ガルム、それでテストの結果はどうだったのか。」

「うわ、エンキおじさんいましたか。
朝はありがとうございます。」

「まぁ気にすんな、それで結果は?」
 
「はい。」

「はい!!!」

「蘭陵王は、満点だったか、それで自信満々なガルムはどうだったのかな?」

「思ったんだけど、ガルムさんの点数はどうだったですか。」

「うーん、30点。」

ぷるぷる
「まぁ、まぁ、最初はこんなものだよな。」

「そう言えば、テストに出ていたメソポタミア神話の嵐と淡水の神はなんて書いたんだ。」

「確か、ネルガルって書いたんだよね、確か嵐の神様も男だったからね。」

「ネルガル、男?男だよな?男だったよな・・・。」
バタッ

「あぁ、エンキおじさん。
ガルムさん何ということをしてしまったのだ。
おじさん、解釈違いを起こして倒れ込んでしまったではないか。」

「えぇ、そこ間違っていたの!?」

スタッ
「まぁ、でも気にするな。
人間だれしも間違いがある。
そこから前向いて踏ん張って走り出せば成長に繋がるからな!!!
よし、じゃあ今日も勉強会をするか。」

「オォー!!!
お願いします、エンキおじさん。」

でも、やっぱりおじさん気にしてたんだね、このあと、ガルムさんにノート一冊分使って自身についての説明を書いていたからね。
次は間違えないと思うよ。

学園オセロニア 僕らのウォースタディー 〜完〜





「という物語を書こうと思うけど、皆の意見はあるかしら。」

「サタン、ここはやはり、ガルムの恋敵としてデネヴを登場させたほうが僕にとって終わりなき理想的な物語ができると思うんだけど。」

「何言ってるのよ、アレスちゃん!!!
デネヴちゃんは、アルンちゃんと結ばれるの分かった。」

「すいません。」

「ガァァァァ(学園アズリエルはでますか。)」

「ヴァラーグちゃん、あまりその名前聞くと、アタシ、なぜか分からないけど鳥肌立つからやめてね。」
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