逆転オセロニア tri. 第一章 神器

文字数 7,933文字

かつて人々は、その竜を恐れていた。
鉄の剣も通さない硬い鱗。
ヘビのような攻撃的で鋭い眼差し、空を覆う大いなる翼、鉄を引き裂く重厚な爪。
黄金も溶かす深紅の炎。
人類の叡智を結集させてもかの竜はうち倒せなかった。

カンカンカンカン
「竜が現れたぞ!!!」
十数戸ほどの小さな開けた集落で警告を知らせる鐘を打ち当てる音が周囲に響いた。

「ガギャァァァァ」

高い上空から巨大な龍が空を震わせる咆哮を上げながら、地上にある村に急降下してきた。

ザザザァーン

Now loading・・・

「アテナ様、これから、昨夜襲撃のあった未確認の竜アナーキーの東の村の襲撃の被害報告を始めます。
被害報告は、生存者は0、家々全て焼き尽くされ灰しか残っていなかったとのことです。」

「分かりました、ご報告をありがとうございます、ヘルメスさん。」

「それでどうするんだい、アテナ。
僕は命じられれば、いつでもそのドラゴンを生かしも殺しもできるよ。」

「アレス、今日はお断りするわ。
アナタに任せると後の事故処理が面倒なのよ。
今回は、ヘパイストスに頼むわ。」

「チッ、まったくあんな奴の何が良いんだよ。」

「それで、そのアナーキーを打ち倒す神器を貸して欲しいと。」

「えぇ、そのドラゴンを倒した後は、ゼウス王から何でも望むものを献上されるみたいね。」

「分かった、ところでアナーキーの特徴と言うものはないのか。
神器の選別や調節もあるからな。」

「姿を見たものは全て炎によって焼き尽くされて、誰もいないの。
襲撃後の痕跡からの特徴といえば、引き裂かれた地面から山を超える体躯を持ち、最強の種族ドラゴンのエルダークラスの可能性が高いね。」

「正体不明か、それならばまだ最新型で全ての竜を打ち倒す目的に作られた神器にするか。」

「それは、どんなものなのだ。」

「ヘカトンケイルだ。」

Now loading

「空間制御完了。
魔力量、満タン。
全出力安定。
対象相手、エルダークラスの龍アナーキー。
命令行えば、直ちに発進できます。」

「アテナ、これがヘカトンケイルだ。
竜を倒すために特化させたが、能力の高さで世界を崩壊させてしまう程の力を持ってしまった神器だ。」

「これがヘカトンケイルね。
この重圧な体躯に似合わない何とも綺麗な声ね・・・。」

「ハハハハッ、だろう歌の女神ミューズに頼んで録音した声だ。
それと、今回実際に人との会話をして更に知識を蓄えるように設定した。
ではヘカトンケイル、早速アナーキーを倒して欲しい。」

「了解しました、発進します。
周辺、生命体は直ちに避難をお願いします。
3,2,1、発進!!!」

「行ってしまいましたね。」

「何、心配するなアテナ。
3日もあれば戻って来る。
お前の持ってきたアナーキーに燃やされた残骸の成分を解析して、その竜を割り出せられるだろう。」

「でも、なぜそれほどの巨大な龍が姿を見せずにあれほどのことを行ったか疑問に感じますね。」
 
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「これは、神のお使いでしたか。
神都オリュンポスから離れた辺境の我が村、ポグラネ村にわざわざ起こしいただきありがとうございます。」

「ご協力感謝します、村長。」

「しかし、オリュンポスの神器様がどのようなご用事で来られましたか。」

「噂で聞いたことがあると思いますが、ここ周辺を荒らしているアナーキーと言う竜を退治するために来ました。」

「そうですか、やはり例の竜のことですか。
ですか、私達も近くの村が襲われただけでそれ以外は知りません。」

「了解しました。
ご協力を感謝します。」

「うわー、すごいなぁ、これが神様なのか。」

「いいえ少年、私は神と言うよりも正しくは神に作られたものです。」

「コラッ離れんか、オーダー。」

「ゲッ、村長だ。
逃げろ。」

「すいません、ヘカトンケイル様。」

「私は別に構いませんよ。
ところであの少年は・・・。」

「オーダーと言う、私らとは違う村の出身の子供でして、なぜこんなところにいるのかと思うでしょう。
彼の村では、神の血の混ざった人種(白銀の人間)と私らとは変わらない普通の人種(鉄の人間)が混在している村でそこでは身分の格差が激しく金の人間が頻繁に迫害を行っていたのです。
彼の父親は、それに対抗するために金の人間と戦いに挑んだのです。
しかし、敗北を喫し、彼の父親は死に母親は子供だけを置いて私らの村に迷惑を掛けないようにとそのままその村に戻ったのです。
全く、私もなぜあのとき、村のためとは言え母親を止められなかったのか。

しかし、最近そのような白銀の人間のいる村ばかり狙うドラゴンが現れて、迫害を受けた鉄の人間は自分らこそ正しいと主張するようになってきて・・・。
ハァー、全く、種族は違うことよりかは心の持ち方だと言うのに。
いや、これは長話になってすまない、失礼なことばかり言ってしまって。」

「別に構いません、アナタのその話には私は深く興味がありまして、しかしその神の血の混ざった人種の村だけをアナーキーは襲撃しているんですか。」

「えぇ、どの村も私らと同じ人種は少数はいますが、いずれも襲撃された村は金の人間がいるところです。」

「それで残っている白銀の人間がいる村はオーダーの故郷の村と東にあるツタ村ですね。」

Now loading・・・

かつて、何処か透明な容器の中でまだこの体の無い頭脳体のときなのか忘れていますが、お父様から聞いたことがある・・・。

「あーあー、聞こえるかヘカトンケイル、もうすぐでお前が完成しそうだ。 
お前にはドラゴンを倒していくほかに人類を守っていくのも入力する。
人類と言うものは、神と姿や感情、性格は似ているが非力で集団でなければ生けてはいけない。
お前には、その人類達の発展を支える礎となって欲しい。」
しかし、なぜ非力な人類が自ら争いを起こし、身分と言うものを作るのだろうか、私には甚だ疑問である。

「ねー、神器さん。
こんなところで何しているんですか。」
確か、この子が先ほど私の肩に乗っていたオーダー。

「今、周辺地域に目標の竜が来ないかの監視をしています。」

「ふーん、目標の竜ってアナーキーって言う名前のドラゴン。」

「えぇ、そうです。
どうかしたんですか。」

「うん、やっぱりそうだよね。
いくら白銀の人間が僕たちを差別するような人達でもアナーキーのやっていることは悪だと思っている。
だって同じ仲間である人が死ぬのを見るのは誰だって悲しむから。
皆を仲良くできる世界を作っていきたいな。」

「素晴らしい考えですね、その理想を追い求めばアナタは、ほぼ98%の確率で神に認められた王や英雄になれましょう。」

「フフ、よく分からないけどおもしろいね、神器さんは。
それよりも神器さんはどんな神様と会ってきたの。」

「そうですね、お父様のヘパイストス様、軍神アテナ様、アレス様。
旅の神ヘルメス様、そして神の王ゼウスとも。」

「すごいなぁ、物語に出て来た神様が本当にいるんだ。
僕も行きたいなオリュンポスに。」

「もし、よろしければ、この任務が終わったらアナタを一日だけオリュンポスに連れていきましょう。」

「本当にやったー!!!
ありがとう、神器さん。
会えるんだ、本当の神様に。」

そして、太陽が山に沈むとその子は帰っていった。
確か、人間には睡眠と言うものが必要と教えられた。
そこでは身近なこと、想像したことのない夢を見られると聞いた、あの子も辛い過去があったからいい夢を見られるのか少し不安を覚えた。


キュイイイイン
「ガギャァァァァ」 

「目標らしきものの声と音を捕捉、姿は東の上空2000メートルに音速と同等で急降下中、目標の破壊対象、88%の確率で村長の言っていた白銀の人間が住む村。
空間融和率120%、テレポート可能。
テレポート開始。」

ガギィーン

テレポート場所は、音速で急降下しているドラゴンの目の前。
お父様が作られた体だ、その程度の攻撃ではビクともしない。
アナーキーは、怯んでいる。
ここですぐに目標アナーキーを抹殺する。
重力球を稼働した、これはお父様が作り出した対象物重力増幅器、この球に触れれば一時的に対象の相手の重力を増幅させて動けなくできる。
対象物が空を飛んでいるものであれば、地面に吸い込まれるように落ちていく。

ビュン

スカッ

「ガギャァァァァン」

当たったしかし、すり抜けた、先ほどは私の体には当たったがまさか任意で攻撃を無効化できるのか。
対象者、目標達成現在不可能、不可能、不可能。

「グルルルッ」
ヒュ、バサバサッ 

目標のアナーキーが撤退、撤退。
私の感情は安堵を確認した。

Now loading・・・

そして、戦いの夜が明けて、私は次の策を練るためにも再び先ほどの村に戻っていた。
先ほどの村を戻るとき、遠くのほうから声が聞こえてきた。
私はとっさに空に空間移動して、浮いてその会話を聞いていた。
村長と数人の村人達が何やら話していた。

「村長、あのオリュンポスから来た神器様にあの竜のことを言ったんですか。」

「あぁ、言ったとも。
もう、周辺では被害が出ているんだ。
この村もいつ襲われてもおかしくない。」

「違う、村長。
あれは、驕り昂ぶっている白銀の人間を裁きを下すために神が遣わしたものだ!!!」

「お前らは、本当にそんなことを信じているのか。」

「あぁ、信じている、空から声が聞こえたんだ。
今こそ、白銀の人間に復讐を果たせと・・・。
村長、今こそ立ち上がるんだ。」

「やめろ、白銀の人間達も今は困っている、この時こそ助けの手を差し伸べるべきではないか。
これで、この話しは終わりだ、くれぐれもバカなことをするんじゃないんだぞ。」

「グッ・・・。」

スタスタ
んっ、村長さんが村の外に出て何をしているんでしょうか。
そして、一名の村の人とは違う人物を確認。

「来たか、村長。」

「いや、すまない、すまない、少し遅れて。」

「今月もあの村人達の使用量を持ってきてるんだろうな。」

「いや、申し訳ない少し待ってくれませんか。
土地代があともう少し足りなくて。」

「ふんっ、あんまり遅れるとお前の村もすぐに俺達のものになるからな。 
お前が本来、誇り高い白銀の人間だから待っているんだからな。」

「すいません、分かりました、3日後には必ず支払いますので。」

「それと、お前の村、昔、俺達の村から連れて来られた鉄の人間の赤ん坊とかいないよな。
俺達の村では、鉄の人間達を無断で他の村の移動は禁止だということは知っているだろう。」

「はぁ、知っていますが、いきなりどうしたのですか。」

「この前、お前たちの村の人数を数えると一人多いようなんだよな。
まさかと思ってな・・・。」

「多分違うと思いますが(オーダーを隠していたが見つかっていたのか。)」

「そしたら、俺達の村の人間からも聞いて一応調査して見る。」

「出ないと思いますが(多分バレるな)。」

「まぁ、次こそは払えよ。」
スタスタ

「ふぅ、行ってくれたか、もうよろしいですよ、ヘカトンケイル殿。」

「村長、あなたは。」

「見苦しいですけど、これが現実なんです。
村人達には、隠しているんですけど、私は白銀の人間でした。
私は、故郷の村とはあまりにも違う鉄の人間達の惨状に目があてられなくて、周辺の村から私財を投げ売って必死に鉄の人間達を連れて来てこの村に住まわしています。
だから、無礼は承知なんですが、ヘカトンケイル殿。
このことを偉大なるオリュンポスの神王ゼウス様にこの惨状を伝えてくれませんか。」

「分かりました、必ず伝えます。
アナタの働きも。」

「ありがとうございます、ヘカトンケイル殿。」

草むらの影に先ほど村長と言い争っていた村人がいた。
「やはり、村長もあちら側か俺達を裏切っていたのか。
早速、村人達に伝えないと。」

「では、私はこの任務が終わったら、伝えますので。」

「はい、分かりました、くれぐれもお気をつけて。」

シュー

Now loading・・・

村長が村に戻ると、村人達が農作業で使うクワや鎌などを手に武装していた。

「何をやっているんだ、お前たち。」

村人達は、一斉に村長に睨みつけた。
「村長、俺達を騙していたのか。」

「騙していた・・・、そうか誰か聞いていたのか。」

「村長、本当に白銀の人間だったのか。」

「そうだ、私は白銀の人間だ。
だが、それがどうしたっていうんだ、私の離れた故郷では、白銀や鉄の人間なんていう差別はなかった。
私もこの地で必ず差別を無くしたい。
それと、あと少しの辛抱で神が必ず差別と言うものを無くして・・・。」

グサッ
一人の村人が村長の腹を刺した。
白い服は溢れ出る血によって赤に染まった。

「皆、これは正義だ。
この男は我らを騙して、とうとう来もしない神で俺らの正義を惑わした。
だからこの男は死ぬ、さぁ我らには復讐と言う名の力が付いている、さぁ白銀の人間を鏖殺して同胞を救おう!!!」

「オォー!!!」

ダダダダダッ

武装した村人達は、東の村に向かった、正義と言う名の復讐に囚われて。

しばらくしたあと、遠くで遊んでいたオーダーが騒ぎに聞きつけて走って来た。
その少年の前には息の絶えそうな村長が倒れていた。

「村長!!!」

「オーダーか、すまないな。
最後だから言うが私は白銀の人間なんだ。」

「そんなものはどうだって良いよ、村長は村長なんだから。
俺や村人達が悪いことをしたときは叱ってくれて怖かったけど、でも本当は誰よりも村のことや人としての心の在り方を教えてくれたんだ、そんなものに人種なんて関係ないよ。」

「そうか、そこまで分かっているのか。
鉄の人間達を救うと言うただの自己満足だったが、案外悪くなかったかもしれないな。
オーダー、私と同じように自分の信じた道を歩いていけ。」

「ウウウッ、わかったよ、村長。
でも、俺は村長に教えたことを実行したいけど、復讐が体を変化させるんだよ。
あぁ、来た、いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!!!」

オーダーの体は鉄の剣も通さない硬い鱗が生えて、ヘビのような攻撃的で鋭い眼差しを持ち空を覆う大いなる翼、鉄を引き裂く重厚な爪、復讐に染まった心を持つ邪悪なる龍へと変化した。
そのものの名は、アナーキー(無秩序)。
オーダー(秩序)が復讐に染まった影の部分。 
人類を皆殺しにする、鏖殺の代名詞ともなり得る龍。

「オーダー、お前だったのか・・・。
復讐は連鎖する、絶対に人としての姿を取り戻してくれ・・・。」

ガシャーン

ギシャァァァァァン

息絶えた村長の上に家を豆腐のように押し潰す重厚な腕が振り下ろされた。
地面は隆起し、アナーキーは瞳から涙を流し悲哀な声の咆哮を天に捧げた。
その悲しみは時が経つたびに憎悪への咆哮と変わり、死をもたらす翼を羽ばたかせて村人が向かった東の村へと羽ばたいた。

人々の復讐の炎は止まなかった、抑圧された思い、弾圧され否定された心。
その原動力が彼らを争いへと駆りだした。

「あれは、鉄の人間の村の奴らかあの村長、これが狙いだったのか。
少し善意を見せればすぐこれだ。
全員、弓矢で皆殺しにしろ。」
先ほどの村長と話していた男は、鎧を見に包んだ白銀の人間達とともに東の村に入れる唯一の門へと待ち構えていた。


「我らは正義、我らはこの世に蔓延る悪を根絶する!!!」
その掛け声とともに暴徒と化した村人達は東の村に攻め込んだ。

ヒュン、ヒュン、ヒュン
その矢は、風を切りながら、村人達の体にねじ込まれた。

「行けぇ!!! 前進あるのみ、あるのみ!!!」
それでも村人達は倒れ行く仲間を踏みしめながら、前へと走り出していた。

「狂ってる、武器庫からありったけの爆弾を持ってこい。
鉄の人間共に目にもの見せてやる。」
男が仲間にそう伝えると、一瞬、太陽を覆い尽くす黒い影が通り過ぎた。
それは、アナーキーだった。

「いきなりなんだ、ギャァァァ!!!」
ギシャァァァァァン

黒鱗に包まれた復讐の龍は、口から燃え上がる漆黒の炎を吐いた。
漆黒の炎に飲み込まれた白銀の人間は、体の内側から黒く変色して、ボロボロの土くれになって崩れていった。


「おぉ、救いだ、かの救世の龍は、原始の炎によって白銀の人間を本来人の元となった土に変えた。
天は鉄の人間こそ繁栄させることを約束してくれた。
かの龍に続こう!!!」

ギシャァァァァァン
村人の歓喜の声により、触発された憎悪の感情を持ったアナーキーは襲い掛かろうとした。

ガシッ

「テレポート完了。
前回のデータにより目標相手の次の攻撃予測、右前脚からの切り裂き23%、口からの炎34%、その他に対応する防御完了。」

ギャギャギャアーン
ボォォォォ

予測通り、アナーキーは口から炎を吐き出した。
私は、一つの重力球を盾にして、片方の手でアナーキーの翼を握りつぶした。

ギャァァァァン

ドゴッ

アナーキーが苦痛の咆哮を上げた、効いている。
そう確信した私は、刃物のように鋭い頭の装甲でアナーキーの顔に頭突きを与えた。

バサササン

強固な鱗が何枚か弾き飛び、アナーキーもそのまま倒れ込んだ。

「目標相手、確保。
今から、目標相手の殲滅にかかります。」

そして、私は何もできないアナーキーに持っている重力球を最大出力を上げて頭に叩き込んだ。

ギシャァァァァ

アナーキーは最後の断末魔の声をあげた。
その声を上げたアナーキーは姿を変え、それは少年の姿になった。

Now loading・・・

「アナーキーの正体は、一人の憎悪に侵された少年だったと、そういうことなのヘパイストス。」

「そういうことだ、アテナ。
ヘカトンケイルから抽出された情報は、それだけだ。
それと被害は、アネモネ村含む5つの村が壊滅状態になった、もうあそこは呪われた地として、誰も訪れないだろう。」

「ご報告ありがとうございます、ヘパイストスさん。」

「では、俺はこれで失礼する。」
お父様は報告を終えて帰っていった。
 
この事件は、結局アネモネ村の少年オーダーが引き起こしたことでオリュンポスでは処理された、その後の私は少年との約束をも果たせなかっただけではなく、この手で命の火を消してしまったことに強く後悔し、絶望の中で私は、あの村で起きていた差別を知らせることをせず、私は人類を守護する資格を自分から降りたのだった。
私に残された道は、全ての制御機能を停止させ、眠りにつくのみだった。

「ヘカトンケイル、目を覚まさないか、アネモネ村で一体貴様は何を見たんだ・・・。」
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