2020年 7月 星輝く頃に願いを乗せて

文字数 898文字

とある少女が星が満点に輝く夜空の下を歩いていた。
隣には、頭蓋骨の幽霊で骨三郎という相棒がいた。


「何やってるの?」 

彼女達が歩いていると、禍々しい雰囲気と共に一人の綺麗な顔立ちの青年が笹という竹を眺めていた。

「おや、麗しい死の天使君。
これは七夕と言ってこの笹に願い事を書いた小さな紙、短冊を飾れば願いが叶うと言う僕たちの国の風習さ。」

「まぁ、オメェが書いたことはどうせ物騒なことなんだろう。
人の目が欲しいとか、そんなことだろう。」

「まさか、僕たちがそんなこと書くわけないじゃないか、骨君。
僕たちは、ただ宝石のような美しい瞳を持った人と会いたいという願いだけさ。」

「絶対に会ったら奪うだろう、オメェ。
もう、行くぞアズ。
どうしたんだよ、笹を眺めて。」

「骨三郎、私も書く。」

「それは良かった、ちょうど余った二枚の短冊があったからあげるよ、君たちに。」

「ありがとう、妖怪さん。」

「まぁ、まぁ・・・、感謝するぜ。」

「君たちはどんな願いにするんだ。」

「まぁ、俺はやっぱりアズとずっと一緒に旅をすることかな。」

「骨三郎、きもい。」

「きもいって何なんだよー!!!
じゃあ、アズは一体、何なんだよ。
まぁ、俺様の全オセロニアンが涙を流す願い事に勝てるのか。」

「んっ。」

「僕たちが読めばいいのか。
骨三郎が元の人間に戻れますようにか。」

「骨三郎が慌てふためく様子を見るのがおもしろいから、でも戻ったら一人になるのは嫌だからすぐに元に戻すけどね。」

「なんだよ、それー!!!
自分で願い事を潰すなんて願い事じゃないじゃないか。」

「うるさい。」

「待てよ、アズ〜!!
俺が悪かったよ。」


「叶うといいね。
さて、この願いも飾らないと。」

夜行が二人の願いを笹に飾ると、夜空の星がキラリと輝いた。




















「見てくれたまえ、ニコよ。
タイムマシーンの完成だ。」

「だっ、大丈夫なの、アルキメデスちゃん、元々こんな機能付けるつもりなかったのに。」

「さっそく、実験開始!!!」
ポチッ

END
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