二話、三頁

文字数 643文字

 例の、あの映画では飛び移ったのにだ。
すると解説者が、あれは物語。
F1カーに、自転車で飛び移る様な芸当だと
解説した。
 だが、ミサイルを当てるのは可能なのでは、との問に。
0、1度角度がズレただけでも、0、1秒時間がズレただけでも何百kmと離れてしまうと言うのだ。大抵の人が頭を捻った。
 そんなにも、当たらないものかと?!

 するとナサが、またもや重大発表と言って、笑顔で全世界放送を行なった。
ハレー彗星は地球にも月にも衝突しないと分かったと言うのだ。
かなり月に接近するが、特に影響は無いとの事だった。
 皆が喜んだ、と同時に人騒がせな、と怒る者がいたりした。
そして、嘘をついていると思う、悲観的な者達も沢山いた。

 そして遂に、一部の悲観的な者達が唱える、この世の終わりと思われる日がやって来た。
本当にハレー彗星は近かった。
夕方には、ハレー彗星が良く見えた程だ。
月よりも早くその姿が確認できた。
 その日の夜になると、大天体ショーをビデオカメラに収めようと。にわか天体ファンで街は溢れていた。皆、空を眺めていた。
 ハレー彗星が月と被り出したかと思うと。
数分で姿を現して、又遠ざかって行った。
この世の終わりを信じた者も、ホッと胸を撫で下ろした瞬間だった。
疑心暗鬼だった者達も安堵した。
そして人々は、その事を忙しい日常で忘れた。

 暫くして、天体観測を続けていた専門機関が慌ただしくなってきていた。
我々にも、海の観測を要請された。
言われなくても、やっていたのだが。
 それは海の潮干作用についてであった。

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