三話・十頁

文字数 658文字

 俺は行きながら。テロリストなんて名前を、何となく呼びたくなかったので、

「あんた、本当の名前は?」

と聞いた。

「何で?」

との返事。

「テロリスト扱いは嫌だろう?」

「これから、成るかも知れないのにか?」

「これは革命だ!月の解放の!」

「おぉ〜!熱いねぇ。昔の俺みたい。
名前はジェームス、そう呼んどくれ」

「俺はカイト、ダイバーも名前だから、どっちでも良いよ」

「分かったカイト、急ぐぞ」

 俺達は何の抵抗もなく、ロボットの制止すら受けず中央ブロックに着いた。
多分ハッキングして、全てのセキュリティーを静止させたか。パニックオープンでも起動させた様だ。月のセキュリティーは、お粗末だ。
いや、地球がお粗末なのだ。全てのシステムをバージョンアップ出来る技術者がいないのだ。
月が本気を出したら、地球など敵では無いと、確信した。
 だが最後に、ロボットの監視が立っていた。
奴は片言の言葉で、

 『ココハ、立入禁止区域デス。IDノ、ゴテイジヲ』

と言った。
 しまった、先生に渡してきたと思ったら。
ジェームスが銃をぶっ放し、ロボットを倒してしまった。俺は、

「何処で?そんな物を!」

と聞くと。

「造った、だが、もう撃てない」

と銃を捨てた。成る程、この人は武器の専門家だなと理解した。地球で何をやったのかは聞かなかった。
 だが部屋に入ると、更に問題があった。
作戦で、打ち合わせしてあったのだろう。
ジェームスは直ぐに、壁掛け電話で先生に電話していた。

「どれか分からない!それに既に、自爆装置は作動している。数字は5時間。地球から煩く、投降を呼び掛けて来るぜ」
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