第2話 部活動

文字数 537文字

「ゆきねちゃん、部活動するの?」
 小学校からずっと中のいいあゆみが聞いてくる。
 今は二週間の体験期間中。興味のある部活動に参加することができる。
「とりあえず色々見てみる。入らないっていうのもあるけど。あゆみちゃんは?」
「私は文芸部にしようかと思っているの」
 いくつかの部活動を見学しながら教室を移動していた。囲碁部が無いので他の部に、とは簡単には考えられなかったが、まあ文芸部もありかな と、ゆきねは思った。
 消去法でいくと、ソフトボール部やバレー部などのスポーツ系はダメ。先ず走るのが苦手だ。卓球部は面白そうだと思ったが、やはりこれもスポーツだ。遊びでやるのとは訳が違う。
 吹奏楽部のような集団で行動するのも苦手だ。一人で勝負する方が楽しい。美術部というほど絵を描くことが好きなわけでも無い。
 文芸部がまだマシか。本を読むのは好きだし、物語を想像することも好きだから、いいかもしれない。
 そんなことを考えていたら茶道部にたどり着いた。
「お茶とお菓子をどうぞ」と書かれた紙が扉に貼ってあった。「作法室」と書かれてあるはずの扉の上のプレートには、「茶道部」と書かれた紙が上から貼ってあった。
「行ってみようか?」あゆみが言った。
 ゆきねは小さく頷いた。
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登場人物紹介

橘 ゆきね


中学1年生 アマチュア囲碁1級

川原 あゆみ


中学1年生 ゆきねとは小学校からの友だち

白石 わかば


中学3年生 茶道部 部長

青田 かえで


中学3年生 茶道部員

赤松 ひなの


中学3年生 茶道部員

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