第4話 新たな朝の訪れ

文字数 865文字

僕は夜行性なので朝が遅い。その日も遅く起きようとしたのだが、朝早くにユキノの悲鳴で目が覚めてしまった。

「な、なんでここにいるんですか?!」

僕の前には顔を赤くしたユキノの姿があった。しかし、そう言われても困惑してしまう。

「なんでって、だってここ僕の家じゃん」と当たり前のことを言うと、ユキノは悔しそうな顔をした。

「な、なにか変なことはしてませんよね??」と不安げに質問を投げかけた。

「変なことって何だ?」という率直な質問を返すと、また顔を赤くして何も言ってこなくなった。なんていうか、感情が顔に出やすいんだなぁとにやけていると、怒られてしまった。

ユキノの紹介で近くの店に行き、朝食を食べた。本土でよく行っていた店がここにもあるのは嬉しい。ちなみに、まだ僕は軍からお金を一円ももらっていないので、3000円までの食事は無料になった。店を出ると、僕はこの制度に感心した一方で、ユキノはお金がなくなったからかため息をついていた。

その後、改めてユキノから家の設備の説明や島内でのルールなどを教えてもらった。これに関しては本土と大差なかった。

それが終わると、次は軍の訓練の手続きをしに行った。しかし、そこはまるで学校のような施設だった。もちろん規模は全く違うが、作りは似ていた。

ユキノが前に話してくれていた通り、能力値によってクラスが分かれるらしく、そのクラスには土日以外は通わなければならないらしい。

また待つように言われ、10分ほど待っていると手続きが終わったらしく、明日からEクラスに通うことになった。

初回分のお金が渡されたが、当然額は少なかった。これで翌月の初回まで持ち堪えろってことか…絶対に外食はできないな。

家に帰ろうとすると、ユキノが「これで手続きは全て終わりました。今までありがとうございました。」と言った。

そうか、ユキノは他の人の手続きもしなきゃいけないんだもんな。「さみしくないか?」とからかうと、「さみしくなんかないです!」と怒り気味に言われた。「そうか、じゃあな。また今度会おうぜ。」と言って、僕は家に向かったのだった。
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