第1話 襲撃

文字数 1,053文字

人類はさらなる進化を遂げた。圧倒的な力を手にし、男女での力の差はなくなった。さらに、異性をより惹きつけるために容姿は美しくなった。しかし、その進化は高校生にしか起きなかった。

新たな人類は昔の人類を超え、神の領域にも達するかもしれない。たとえまだ若い高校生だとしても、世界を破滅させられるほどの力を持ってしまうのだから。

~~~

僕の名前はろん。地元の公立高校に通う普通の高校2年生だ。しかし、今、必死に走っている。後ろからは足音だけでなく、銃声まで聞こえてくる。かなり距離をつけたつもりだが、相手が相手だからすぐに追いつかれてしまうのだろう。しかし、内心では油断していた。なぜなら、僕と彼らは一味違うからだ。

そんな状態で必死に走り続けた。体力には自信があるが、これ以上長引くとまずい。仕方ない、僕は開けた場所で立ち止まった。そして、目の前にいる者たちを一掃する。よく見ると、彼らは軍服を着ていた。そこまでして僕を捕まえたいのかよ…。

難なく彼らを倒し、立ち去ろうとする。しかし、目の前に怪物が現れた。一見すると人間だが、その雰囲気は人間とは違う。瞬時に戦闘を諦め、逃げようとするが、相手の方が早かった。あっさりと腹に拳を受け、意識が薄れていく。ああ、もう終わりか…。そして、僕の意識は途切れた。

事の発端は、すべて二時間前に始まった。

僕は普段通り、何気ない学園生活を過ごしていた。しかし、その日は朝から何か違和感があった。なんと言えばいいのか、空気が重いというか、いい気分がしなかった。

学校に着いてからも、先生たちが何かとそわそわしていた気がするが、そんなことは気にせず本を読んでいた。

しかし、ホームルームが始まった刹那、窓と教室のドアから軍服を着た者たちが一斉に入ってきて、僕にナイフのようなもので襲いかかってきた。かろうじてそれを避け、周りを見ると、外にはパトカーと戦車、そして教室内には銃を構えた者たちが何人もいた。迷った末に、僕は外へ逃げた。さすがに戦車もすぐには撃てないだろうから、素早く動き回っていれば問題ない。生徒と軍人がたくさんいるから、銃もろくに撃てない。派手な割には対策が甘かった。襲いかかってきた連中も特別強いわけではなかった。この時点で、僕はこの違和感に気づくべきだったのだろう。そして、この判断が僕の後の敗北を決定づけたのだろう。僕は外へ逃げ、消耗戦に賭けることにした。そして、先ほどの結果に至る。

「やっぱり、こんな社会おかしいよ」

僕は消えかかる意識の中で、目の前の相手にそう言い放った。
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