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文字数 769文字

 俺は恐る恐る扉を開けた。
すると3人の黒尽くめの男達の、その1番手前の男が警察手帳を引っ込めると。

「あんた過激派?」

と聞いてきた。俺は思わず、

「いえ、どちらかと言うと引き籠もりです」

と答えた。
 過激派に過激派かと聞いて。はい、と答える馬鹿がいるのだろうか?
俺は可笑しさが込み上げてきた。
あまりの緊張に感情が変になっていた。
 俺は先に、

「菱川さんの件ですか?俺は、たまたま居酒屋で一緒だっただけです。知り合いでも、何でも無いですよ」

と言うと。その男は、ちょっとだけ曇った顔をして。

「ふーん、あの東京タワーの人?あんた、色んな人と付き合いあるね。上がらせてもらうよ。これ、捜査令状」

と紙をかざされた。

「はぁ」

 と奥へと退くと。3人は靴のまま上がると、俺の部屋を物色しだした。
あら本当に土足なんだ、と俺は気圧されて、
文句も言えなかった。すると、

「主任、有りました。もう起動してますね。
爆弾ではなかったようです。尤も逃げる時間があるのかも。これだけのプラスチック爆弾で、半径100メートルは焼け野原ですから」

と言った。
 えっ?!!
何と俺がアルバイトで数式解いて入力していたものは、爆弾の様だった。
 すると警察の人は、

「あんた、これ何だか分かってるの?
知らないよね、アルバイトだもんね。
この手の爆弾でテロやる奴がいるのよ。
あんた、残念だけど緊急逮捕ね」

と言われた。
 俺はそのまま手錠をかけられ、覆面パトカーに乗せられて警察署へと向かった。
 何てコッタイ!
やっぱり、アルバイトは怪しいのは、止めとくんだった。
高いバイト料に乗せられた。
 あ~、これで工場の勤務も難しいな、と思っていると。車の無線が、

 『緊急!緊急!大至急!首都中央部より退避せよ。政府高官の車が避難を開始した。
交通誘導に当たれ・・・
ええい!バカバカしい!逃げろ!!』

と、がなり立てた。
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