第12篇 河童

文字数 170文字



河童なりに
恥じらいを知り
おめかしして
人間のふりをして
できるだけ
誠実に生きては
きましたが
やはり
わたくし
河童なのであります。

河童は
川に帰ることによってのみ
富貴を得るようなのです。

わたくしには
オイカワやアユなどと
遊んだり
小さくなって
藻や水草に隠れたりするのが
良いのです。

同情してくださり
ありがとうございました。

少し
寂しいですが

人間さん
さようなら。
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