第6話

文字数 998文字

今日も目覚ましが鳴る。
一度目を消し布団にもぐる。
まだ外は真っ暗で、朝が来たのかまだ夜と言うべきなのかという時間だ。
もっと寝ていたいでも、その時二度目の目覚ましが鳴る。
しょうがなく、ほんとにしょうがなく布団から出る。
昨日の余韻はどこへ…現実へと引き戻された。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「おはよ」
「和香おはよう」
「お姉おはよ。今日も来ちゃったよ」
「一緒、一緒」
「やっぱり早いの苦手だわ」
「帰り早いし、早くから酒飲めるやん」
「そうだけど…上がらないよ…」
「今日も残業確定?」
「かも…」
「お疲れ」

今日も大きな声出してます。
更衣室でのダルイ感じは見せません。
「成美今日も元気だね。いい事あった?」
「なんも無いですね。いつも通りです」
と言いながら、昨日の事を思い出し顔がニヤけそうなのをこらえる。
「成美。この前言ってた資料そろそろまとまりそう?」
「今日中には。後で確認お願いします」
「分かった。BOX入れといて」
「ありがとうございます」
つい今日中って言ってしまった。
他の仕事は残業に回して資料作成しよう。やっぱり残業確定です。

休憩中は昨日の写真見てひとりニヤついてます。
イケメンには癒されます。
1〜2ヶ月に1回はライブがあるわけで、残業はその資金稼ぎみたいなものです。
休憩もそこそこに仕事に戻ります。
「成美。資料あれでいいよ。皆んなに回しといて」
「了解です」

「回覧お願いします」
「了解」「成美、今日飲みに行くか?」
「行きたいんですけど、残業ですよ」
「マジか。ガソリン入れないと動けなくなるぞ」
「家飲みしますよ。ガソリンは常に満タンにしないと」
「成美は飲む以外楽しみないの?」
「おひとりさまですからね」
バラしませんよ。内緒です。
待ち受けにしたくても出来ません。
家でゆっくりお酒を飲みながらひとりで楽しみます。

「和香お疲れ」
「お姉お疲れ様」
続々と帰っていきます。
私はスマホを横に置いて残業です。
そんな時メールの通知。ももくんからです。
ありえない、これって通常ありえない事です。
何かのイベントでしょうか。
そんなお知らせもなかった気がしますが、誰も居なくなった事務所でひとりドキドキしながら
メールを開いてみました。

これは…えっと…
私は会社にいる事を忘れそうになってしまいました。
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