第7話

文字数 565文字

『青の旅』

1
まどかな詩と詩の微睡みに
散りばめれた数々の符牒(ふちょう)や色彩環が
この躰、血潮にふらりほわりと舞い降りて
次第に繚乱となりながらも
統合されていき
かの総合の輪舞が
全てを包み込み
ひとつなる生命体が創りだされた

それは、青

青は、あまねく万物や星辰
豊饒な聖霊が共にあり
青は、全てと一体であり
同時に、独創であった

2
青は青として
ただ純潔の青として在る
混ざることも、濁ることもない
在るのは、青

3
青は旅に出た
さらなる純潔を目指して
黒、赤、橙、黄、緑、紫、白などに
憧れを抱いた
憧れは数々の融合を産んだ

4
青は
もはや青であると
誰からも気付かれなくなってしまった
青は虚しくなった。

しかしながら、青は
澄んだ青を時より放つようになった

5
青は
黒、赤、橙、黄、緑、紫、白
などから
ようやく理解され
また、感謝されるようになった。

青が
青に戻れることが
出来るようになったからである。

6
青が青を呼んだ
赤色のなかで

青が青を呼んだ
緑色のなかで

青が青を呼んだ
黄色のなかで
 
青が青を呼んだ
青色のなかで

青が団欒している

青が横たわっている

青の石斛(せっこく)

青の小白鳥

7
青は
青の純潔の青となった
青は、あらゆる即興や変身を繰り返し
やがて
青は
天上の生を召喚することを憶(おぼ)えた

青は、あらゆる色彩になり
青は、あらゆる詩になり
青は、あらゆるやさしい自然となり
青は、青の愛となった



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