第14話

文字数 803文字

『種』

忘れていたこの気持ち
幼子のころから抱いていた心情が
ノヴァーリスの青い花によって
開花しようとする

ー現実は夢となり、夢が現実へと変じるー

馨(かお)り高く
あますところのない融合の願いをもち
心の深淵までゆき届く花粉は
この世界を彩り
あらゆる困難な障壁を溶かす
愛の炎となり
新生を授けていくであろう

この歌の神秘なる力は
天上と地上
愛と光と
まことをとこしえに結ぶ
天使となって
生と死に復活なる口づけを交わす
そのリーディングは
疲れた者も嬉しき人も
死者と黄泉、聖霊、神々も
生涯とその生命を解する力を授け
かの黄金時代に僕達をいざなう

ー僕達の心のなかにある糸を紡いで
ひとつの糸によりあげて
いさかいに終わりを告げ
みんなでひとつの命になる

ひとりがみんなの中に生き
みんなもひとりの中にいる。
ひとつの胸が波を打って
みんなでひとつの息をするー

僕達のよりよい在り方への
チャレンジであり
一者の愛と赦し、そのものであられる
輪廻転生はやがて
きよらかに湧き出る泉となって
そのエクスタシーが
この宇宙の千仞(せんじん)まで
自由自在にほとばしり
やがて聖なる故郷へと帰還する

おしべとめしべは
預言者の言葉によって翼を得て
この世の定めは成就して
浄福のときが訪れる

ーこの時こそ全のうちに一なるものを、一のうちに全なるものを、空、雲、草々、石くれに神の御姿を、人々と動物と日々の出来事に御心を感じる。これこそ心に留むべきこと。もはや時と空間の秩序は絶え、鎮まり、絶対なる世があけそめるー

今こそ
愛の国の門はひらかれる

その絶対なる源が
力強くその語調でかたるとき
この大いなる世界の心は
ここかしこ呼び覚まされて
僕達をほころばす

メールヒェンと詩のなかに
永遠の世界の力とその歴史が
あるならば、その時こそ
この世界における秘密の言葉
至高なる魔法のうちに
新秩序を想起するであろう

愛よ
僕達を目覚めさせたまえ

光よ
今こそ、万感なる青春となって
その恵みを、このひとつなる世界に
もたらしたまえ
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