003.とある作家の事情
文字数 1,325文字
2人のト◯ンプ招聘に失敗した安崎はうなだれる様子もなくスマホをいじっている。溜息をつくしか無い池森であった。
……まぁいい、言いたいことはそれなりにあるんだ。
まぁ僕が近年ヒットする小説が出してないのは自分でもわかってる。
でもあれだ、僕が原作をやってる『こんにちは希望の生徒』はそれなりに売れてるみたいじゃないか。
アニメ化もそこそこ人気あるみたいだし、劇場版まで出るんだろ。
なんでその原作者が、漫画も出してるお前のところの出版社から、小説関係全部の打ち切りを食らうんだ?
先生のノベライズと同時に、キャラデザのチョゲさんと作画のアサカさんが「希望生徒」の画集を出したんですよ。
バカ売れです。
世界中のバカがみんな買ってるんじゃないかって勢いで売れました。あの画集がなかったら、ウチの会社ガチで潰れてますよ。
『池森圭治のいつもギリギリで生きていたいから、アッー!』
第3回 おわり
ゲスト……安崎(弊社編集)
聞き手……池森圭治(作家)
(次号へ続く)