００５．とある主婦の事情
文字数 1,673文字
『池森圭治のいつもギリギリ』の、初の人生相談回の収録が行われる。
前回改めたばっかりだろうが！
初回からサクラ導入するぐらい行き詰まってるのか、この企画！
２７歳の主婦です。
珍しい名前ですね。まぁ本名ということであれば、あとで編集しますから、お気になさらなくても大丈夫ですが。
芸能活動か何か、されてるんですか？
おい安崎、事前に企画の説明はしてないのか！
那古野さんが「悩みを話すだけで時給４０００円のバイトなんておかしい」って仰るので、
「全然大丈夫！ 全然！ 絶対大丈夫だから！ ちょっと！ ちょっとよ！ ちょっと喋るだけよ！」
と念押しはしたんですが。
あとバイトなのをもう少し隠してもらえないかな！
出産して前の会社を退職したはいいんですが、なかなか子供を育てながら働ける場所がなくて……
それなら我が社にどうです？
いま育児雑誌の部門が人足りないんですよ。とりあえず、時短勤務の契約社員でどうですか？
そんな簡単に決められるんですか？
労働組合のトップの力、フルに使って上にOKさせますよ！
……
一応、作家をしております。池森圭治と申します。
ええと……あれですよね……
『フィンランドの林』
うーん、
『白夜GO』でしたっけ？
『化学物語』ですね！ 私あのアニメ好きだったんですよ！
それは東尾懐古先生のだよ！
いつ正解するんだ！ わかんないならわかんないと言えよ！
安崎も止めろよ！ 何のためにそこに居るんだ！
状況を考えろ！ 状況を！
ついつい……
一番売れたのは『加害者Aの放蕩』ですかね。
余計なことを！
池森先生って、人気作家なんですね！
ブック◯フの１００円コーナーに、平積みでタワーになってましたよ！
大人気じゃないですか！
『池森圭治のいつもギリギリ』
第５回 おわり
ゲスト……那古野 絵見（仮名・主婦）
聞き手……池森圭治（作家）、安崎（弊社編集）
（次号へ続く）
