同級生マジック

文字数 2,397文字

正月、松の内も明けぬうちに友人宅へ泊りがけで遊びに行ってきました。
コロナ禍で会えなかった、もうひとりの友人も合流。彼女たちは高校時代の同級生です。

私が通っていたのは大阪のとある府立高校。
制服は一応あるものの実際は何を着てきても良い、という割と自由な校風でした。そんな規則だから毎日アイロンがけ必要な白ブラウスを着てくる生徒は、ほぼ居なくて、下のスカートやスラックスは制服、上はパーカーや長袖Tシャツ。柄はボーダーだろうがキャラクター物だろうがオールOKという…なんとも、ゆる~い学校でした。

私が生まれた昭和40年代は第2次ベビーブームに向けて出生率が、どんどん増加していった時代。
1クラス42~45人前後で構成されたクラスが学年で13組ある、つまり同級生が550人程になるマンモス校でもありました。

よって、毎年クラス替えがあるとはいえ・・・知り合える人数は全体の20~40%台だったでしょうか?特に3年時で文系・理系に分かれると選択授業の関係で、ほぼほぼ会わない生徒もでてきます。

私は部活動もやっていたので、交友範囲も若干広くなった方かもしれませんが・・・それでも3年間全く関わらなかった生徒、もしくは顔は知っていても名前は知らない、逆に噂は聞いていたけど誰だか分からない、という同級生がほとんどでした。


今回、家に泊めてもらった友人Aちゃんのことも在学中、全然知らなかった私。(Aちゃんは私のこと知ってた模様)
クラスも部活も選択科目も違うと、本当に接点が無い。そのうえ、私が「人の顔と名前を覚えるのが壊滅的に苦手病」患者でもあり・・・まあ、壊滅的でした;
(同窓会で、はじめまして~の挨拶後、あれ?同じクラスだったよね?と言われて、頭真っ白になることも度々)

そんなAちゃんとは卒業して関東の大学へ進学、東京で働き始めたあたりから友達の友達として知り合ったのでした。

その頃のAちゃんの印象は・・・白いミニタイトスカートのスーツに白のロングブーツ、ベレー帽をかぶって颯爽と現れた「モデルさんですか?」的にスタイルの良い女子。
そのうえ話を聞くと、契約社員ながら海外駐在で英語で仕事をしている才女!天は何物も与える人、キタコレー!!

そんなAちゃんに憧れの眼差しを向けるだけで、直接話しかけられない陰キャな私・・・でも、いつの頃からか?年に一度くらい、帰国した折に合わせて一緒に食事するように。
そこで話してみると・・・いや、とっても気さくで面白い。話し上手でコミュ力抜群!天は何物も~以下略。という女性で一気に好きになりました!

そういう同級生、実はもう一人います。

ピアニストとして活躍しているMちゃんと知り合ったのは・・・何がキッカケだったかな?フェイスブックの高校同期生のグループだったかもしれません。

関西を中心に活動している彼女のライブに行ったのは義実家に帰省するために立ち寄った神戸でした。なにひとつ楽器も弾けず、楽譜さえも読めない私の永遠の憧れ、ミュージシャン。

カウントで始まり、アイコンタクトでピアノとギターを合わせて音楽を奏でてゆくなんて・・・格好よすぎませんか?
帰国の旅に、まるで追っかけのように関西圏で催されるライブに足を運んでいます。彼女の軽快なピアノとセッションする奏者達の楽しそうなことよ♪


今回、なんでこのお題にしたかというと・・・これらの出会いや、その後の展開が、今さらながらに面白いなぁ、と思ったからです。

だって、彼女達との接点は「高校の同級生」ってだけですよ?

それも高校在学中には知らない、同じクラスになったこともない生徒。
卒業してから何年も経って・・・ヘタすると四半世紀くらい経ってから仲良くなった。この巡りあわせや如何に?

興味深いのは・・・当然ながら、お互いが全く違う環境で生活、仕事していること。これは同窓会とか行くと感じることかもしれませんが。
「いや、同じ高校入って卒業したのに・・・何で将来がこんなに違うん?」

同じ普通科の高校を卒業した後、それぞれの道に散らばって・・・進学したり、就職したり。地元関西や遠方の会社に入社した会社員、教員や保育士、Mちゃんみたいなミュージシャン、弁護士や税理士、医者、看護師、パイロット、キャビンアテンダント、シェフ。その中には自分でお店開いたり、会社興したりした人も。
もちろん、主婦、主夫の人も居るし、私みたいに何か知らんけど海外に移住して、そこでシングルになるという完全にレール外してる人も居る.笑
おかしいなぁ。同じように3年間勉強して卒業したハズなのに・・・この違いはナニ?

でも、そういうのが面白いんですよね。
同級生の醍醐味って・・・あの限られた3年間を共有したという特別感と、その後、バラバラになって全く違う人生を歩んできた、それぞれの物語。
世の中にはたくさんの人々の人生があって、そのひとつひとつは自分が経験したことのない、まったく未知なストーリー。
なんだけど・・・同級生ってだけで、なぜか彼らのストーリーを身近に感じられる気がする不思議な繋がりよ。(勝手ながら)

これって出身地が一緒とか、会社が一緒だったとか、同じ職種とか・・・ワールドワイドに見ると人種が同じ、母国が一緒、という共通点が、私達の「郷愁スイッチ」をオンにするのかもしれません。

と、言いつつ・・・実は同窓会や同期会などで、昔の思い出話ばかりに浸るのは・・・あまり好きじゃないんですが(天邪鬼か!?)

けれど、若き日の数年間を一緒に過ごした彼らが、それぞれの道を障害を乗り越えながら歩んでいる姿を見ると「私も・・・がんばるぞー!!」と素直に思えてきます。

これぞ「同級生マジック」というものかもしれません。(私が今作りましたw)

まだまだ知らない同級生が、あと400人くらいは居るので・・・彼らがどんな人生を歩んでいるのか、いつか巡り会えたらいいな、なんて思ってます。


























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