第28話
文字数 1,129文字
「それで、アカリちゃんが出てくるゲームってどこにあるの?」
「あぁ、このギャルゲーだ」
黒炎くんはそう言うと、手にとって見せてくれた。
そこには「〜君のこと大好き!って簡単に言うと思った?」というタイトルのギャルゲーソフト。
そのゲームをやったことがないから何とも言えないけど、男の子たちはこういうの好きなんだろうなぁと思った。
「黒崎アカリは黒髪ポニーテールで主人公のクラス委員長なんだ! 普段はツンデレで厳しいけど時々見せる優しさと言ったら、これが……いい!」
ゲームパッケージに写っているアカリちゃんを指差しながら紹介をする黒炎くん。この手のゲームには詳しくないけど、確かに写っている女の子たちはどの子も可愛い。
「ツンデレって普段はツンツンしてるけどたまにデレるってことだったよね? 黒炎くんはそういうのが好きなの?」
私はツンデレじゃないからなぁ。もしかして、そのせいで異性として見られてないと思った矢先、「正直、アカリの全部が好きだから」とバッサリ言われてしまった。
まぁ、普通はそうなるよね。私も黒炎くんそのものが好きだからギャルゲー好きって言われても驚きはしたものの、嫌いにはならなかったし。
さっきまでの暗い空気は流れていない。今は気軽に黒炎くんからアカリちゃんのことを聞けそうだ。
黒炎くんのさっきまでの表情はとても暗く、見てるだけでツラかったから。本当は今すぐ私がアカリちゃんの代わりに彼女になってあげたい! と思うけど、それじゃ黒炎くんの心が軽くならないことも私は理解している。
だから今は少しでも黒炎くんが楽しいと思える話をしなくちゃ。黒炎くんが喜んで笑っているだけで、私も嬉しいから。
「ちなみにさっき見せてくれたアカリちゃんのポスターって……」
「これはこのギャルゲーの初回購入特典だったり雑誌についてくるオマケのポスターだ。このシリーズは登場人物は同じで、ストーリーだけを変えて次回作をどんどん出してる人気のあるギャルゲーなんだ」
(そこまで人気だったとは)
それからというもの、黒炎くんはアカリちゃんが出てくるギャルゲーについてかなり語ってくれた。
話の後半では、将来はゲーム会社に勤めたいと話してくれた。それでいつかは自分で作ったゲームを世界中の人にプレイしてほしい! と目を輝かせながら言っていた。
私は陰ながら黒炎くんの夢を応援しようと思った。将来どうなるかなんて考えたこともなかった。高校に入ったばかりでもう決まってる黒炎くんはちょっぴり大人びて見えた。
夢、か。好きな人のお嫁さんになりたいなんて黒炎くんに言ったら子供ぽっいって笑われちゃうかな? と思い、心に留めることにした。
「あぁ、このギャルゲーだ」
黒炎くんはそう言うと、手にとって見せてくれた。
そこには「〜君のこと大好き!って簡単に言うと思った?」というタイトルのギャルゲーソフト。
そのゲームをやったことがないから何とも言えないけど、男の子たちはこういうの好きなんだろうなぁと思った。
「黒崎アカリは黒髪ポニーテールで主人公のクラス委員長なんだ! 普段はツンデレで厳しいけど時々見せる優しさと言ったら、これが……いい!」
ゲームパッケージに写っているアカリちゃんを指差しながら紹介をする黒炎くん。この手のゲームには詳しくないけど、確かに写っている女の子たちはどの子も可愛い。
「ツンデレって普段はツンツンしてるけどたまにデレるってことだったよね? 黒炎くんはそういうのが好きなの?」
私はツンデレじゃないからなぁ。もしかして、そのせいで異性として見られてないと思った矢先、「正直、アカリの全部が好きだから」とバッサリ言われてしまった。
まぁ、普通はそうなるよね。私も黒炎くんそのものが好きだからギャルゲー好きって言われても驚きはしたものの、嫌いにはならなかったし。
さっきまでの暗い空気は流れていない。今は気軽に黒炎くんからアカリちゃんのことを聞けそうだ。
黒炎くんのさっきまでの表情はとても暗く、見てるだけでツラかったから。本当は今すぐ私がアカリちゃんの代わりに彼女になってあげたい! と思うけど、それじゃ黒炎くんの心が軽くならないことも私は理解している。
だから今は少しでも黒炎くんが楽しいと思える話をしなくちゃ。黒炎くんが喜んで笑っているだけで、私も嬉しいから。
「ちなみにさっき見せてくれたアカリちゃんのポスターって……」
「これはこのギャルゲーの初回購入特典だったり雑誌についてくるオマケのポスターだ。このシリーズは登場人物は同じで、ストーリーだけを変えて次回作をどんどん出してる人気のあるギャルゲーなんだ」
(そこまで人気だったとは)
それからというもの、黒炎くんはアカリちゃんが出てくるギャルゲーについてかなり語ってくれた。
話の後半では、将来はゲーム会社に勤めたいと話してくれた。それでいつかは自分で作ったゲームを世界中の人にプレイしてほしい! と目を輝かせながら言っていた。
私は陰ながら黒炎くんの夢を応援しようと思った。将来どうなるかなんて考えたこともなかった。高校に入ったばかりでもう決まってる黒炎くんはちょっぴり大人びて見えた。
夢、か。好きな人のお嫁さんになりたいなんて黒炎くんに言ったら子供ぽっいって笑われちゃうかな? と思い、心に留めることにした。