第6話

文字数 667文字

その後、店を出た私たちは公園で話すことにした。

(こうしてると、なんだか昔に戻ったみたい)

隣を見ると、イケメンな黒炎くんの横顔。だけど、どこか幼げで。身長や声が変わったって、性格まで変わることはないんだろう。そう思っていたんだけど、現実は違った。

「ねぇ、黒炎くん。ギャルゲー、好きなの?」

「あぁ、好きだぜ! 言ってなかったか? って、無理もないか。俺とお前が一緒だったのって小学生の頃だもんな」

「うっ」

今、槍がグサッと胸に刺さった気分。
好きな人から、まさかそれを言われるとは、なかなかキツい。

「俺、大のギャルゲーオタクなんだ!」

なかなかキツいカミングアウトを黒炎くんは恥ずかしがることなく言い切る。

心なしか超がつくほど目が輝いているのですが、気のせいだろうか。いや、きっと気のせいではない。

「ク、クラスメイトと話してる時と随分違うよね?」

さっきから子供っぽい黒炎くんに違和感を抱いた私は聞いてみた。

「そりゃあ、こんなこと話したらドン引きされて高校生活終わりになるだろ?
だから、まわりの奴らには秘密にしてるんだ。って言っても、俺と同じギャルゲー好きって人がいたら別だけどな! まあ、あんな学校だし、そんな奴がいるとは思えないけどな。
まぁ、お前は小さい頃から俺のこと知ってるしな。
変に隠すのもおかしな話だし、こうして打ち明けてるんだぜ」

「え? それって、私が特別ってこと?」

“秘密”という言葉にドキドキするも、自分が特別扱いされているんじゃないかと勘違いしてしまいそうになる。
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