第７話
文字数 1,985文字
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＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃＃
「じゃあ、巨木さんは大金持ちなんだ」
「まあ、そうじゃな、うわっはっはっは」
大木さんは
自慢話ができたのがよほど嬉しかったのか
大きな幹と無数の枝をユサユサと揺らして
気持ち良さそうに大笑いした。
あまりの揺れかたに驚いて
枝にぶら下がっていた無数のりんご達は
一斉に飛びたった。
まるで十万人が大歓声をあげたような
凄い音波が砂漠中に広がった。
ボクは思わず両耳を塞いだ。
でも、それよりも
空のほうが凄まじかったかもしれない。
なにせ
空一面をりんご達が埋め尽くしたので
青空が真っ赤になってしまったのだから。
もとの静寂に戻るまでには
ずいぶんと時間がかかった。
ボクはその間
両耳を塞ぎっぱなしで
巨木さんに寄りかかっていた。
やっと静かになった
と思って見上げると
網の目のように拡がっている裸の枝々
その隙間から見える空の色は
青に戻っていた。
ボクは大木さんにお辞儀をして
「いろいろと勉強になりました。
どうもありがとう」
とお礼を言った。
「いやいや、こちらこそ。
なかなかわしの自慢話を
聞いてくれる相手がおらんでの。
今日は非常に満足じゃったわい」
ボクは巨木さんに手を振って
また歩道を歩き始めた。
舗道の敷石アメをひとつ取って
口に入れようとしたけど
よく見るとただの石になっていた。
「つまんないなあ」
目の前にサッカーボールがあったので
思い切り蹴ったら
空中でボールはみるみる大きくなり
ボクのおうちに変わって
ドスン
と大きな音をたてて
砂漠の上に着地した。
「ホントにボクのおうちなのかなぁ」
おそるおそる近づいて
二階を見上げると
ボクの部屋の窓に
てるてるぼうずが吊るしてあった。
ボクはちょっと安心して
ベランダにあがり
足の裏についた砂を払い
おうちの中に入ってベッドに横になった。
すると、また頭痛が痛くなってきた。
「ねえ、ママー。
やっぱり頭痛が痛いよぉ」
と大声で泣くと
「いったい何度言ったらわかるの」
と怒鳴られた。
すごくムカついたので
大きな声で
「うるさいママなんか飛んでけー」
って言ったら
ママの代わりに
ボクの頭のてっぺんに貼り付いていた
頭痛クンがポンと跳び上がって
ヒュルヒュルと回転しながら
天井まで行って
プチッと消えた。
貼り付いていたところが少し痛いけど
ボクの頭痛は痛くなくなった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ここからは、パソコン向けです
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「じゃあ、巨木さんは大金持ちなんだ」
「まあ、そうじゃな、うわっはっはっは」
大木さんは自慢話ができたのがよほど嬉しかったのか、
大きな幹と無数の枝をユサユサと揺らして気持ち良さそうに大笑いした。
あまりの揺れかたに驚いて、枝にぶら下がっていた無数のりんご達は一斉に飛びたった。
まるで十万人が大歓声をあげたような凄い音波が砂漠中に広がった。
ボクは思わず両耳を塞いだ。
でも、それよりも空のほうが凄まじかったかもしれない。
なにせ、空一面をりんご達が埋め尽くしたので、青空が真っ赤になってしまったのだから。
もとの静寂に戻るまでには、ずいぶんと時間がかかった。
ボクはその間、両耳を塞ぎっぱなしで巨木さんに寄りかかっていた。
やっと静かになったと思って見上げると、網の目のように拡がっている裸の枝々、
その隙間から見える空の色は青に戻っていた。
ボクは大木さんにお辞儀をして、
「いろいろと勉強になりました。どうもありがとう」とお礼を言った。
「いやいや、こちらこそ。なかなかわしの自慢話を聞いてくれる相手がおらんでの。
今日は非常に満足じゃったわい」
ボクは巨木さんに手を振って、また歩道を歩き始めた。
舗道の敷石アメをひとつ取って口に入れようとしたけど、よく見るとただの石になっていた。
「つまんないなあ」
目の前にサッカーボールがあったので思い切り蹴ったら、
空中でボールはみるみる大きくなりボクのおうちに変わって、
ドスンと大きな音をたてて砂漠の上に着地した。
「ホントにボクのおうちなのかなぁ」
おそるおそる近づいて二階を見上げると、ボクの部屋の窓にてるてるぼうずが吊るしてあった。
ボクはちょっと安心して、ベランダにあがり足の裏についた砂を払い
おうちの中に入ってベッドに横になった。
すると、また頭痛が痛くなってきた。
「ねえ、ママー。やっぱり頭痛が痛いよぉ」と大声で泣くと
「いったい何度言ったらわかるの」と怒鳴られた。
すごくムカついたので大きな声で「うるさいママなんか飛んでけー」って言ったら、
ママの代わりに、ボクの頭のてっぺんに貼り付いていた頭痛クンが、
ポンと跳び上がって、ヒュルヒュルと回転しながら天井まで行って、プチッと消えた。
貼り付いていたところが少し痛いけど、ボクの頭痛は痛くなくなった。
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「じゃあ、巨木さんは大金持ちなんだ」
「まあ、そうじゃな、うわっはっはっは」
大木さんは
自慢話ができたのがよほど嬉しかったのか
大きな幹と無数の枝をユサユサと揺らして
気持ち良さそうに大笑いした。
あまりの揺れかたに驚いて
枝にぶら下がっていた無数のりんご達は
一斉に飛びたった。
まるで十万人が大歓声をあげたような
凄い音波が砂漠中に広がった。
ボクは思わず両耳を塞いだ。
でも、それよりも
空のほうが凄まじかったかもしれない。
なにせ
空一面をりんご達が埋め尽くしたので
青空が真っ赤になってしまったのだから。
もとの静寂に戻るまでには
ずいぶんと時間がかかった。
ボクはその間
両耳を塞ぎっぱなしで
巨木さんに寄りかかっていた。
やっと静かになった
と思って見上げると
網の目のように拡がっている裸の枝々
その隙間から見える空の色は
青に戻っていた。
ボクは大木さんにお辞儀をして
「いろいろと勉強になりました。
どうもありがとう」
とお礼を言った。
「いやいや、こちらこそ。
なかなかわしの自慢話を
聞いてくれる相手がおらんでの。
今日は非常に満足じゃったわい」
ボクは巨木さんに手を振って
また歩道を歩き始めた。
舗道の敷石アメをひとつ取って
口に入れようとしたけど
よく見るとただの石になっていた。
「つまんないなあ」
目の前にサッカーボールがあったので
思い切り蹴ったら
空中でボールはみるみる大きくなり
ボクのおうちに変わって
ドスン
と大きな音をたてて
砂漠の上に着地した。
「ホントにボクのおうちなのかなぁ」
おそるおそる近づいて
二階を見上げると
ボクの部屋の窓に
てるてるぼうずが吊るしてあった。
ボクはちょっと安心して
ベランダにあがり
足の裏についた砂を払い
おうちの中に入ってベッドに横になった。
すると、また頭痛が痛くなってきた。
「ねえ、ママー。
やっぱり頭痛が痛いよぉ」
と大声で泣くと
「いったい何度言ったらわかるの」
と怒鳴られた。
すごくムカついたので
大きな声で
「うるさいママなんか飛んでけー」
って言ったら
ママの代わりに
ボクの頭のてっぺんに貼り付いていた
頭痛クンがポンと跳び上がって
ヒュルヒュルと回転しながら
天井まで行って
プチッと消えた。
貼り付いていたところが少し痛いけど
ボクの頭痛は痛くなくなった。
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ここからは、パソコン向けです
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「じゃあ、巨木さんは大金持ちなんだ」
「まあ、そうじゃな、うわっはっはっは」
大木さんは自慢話ができたのがよほど嬉しかったのか、
大きな幹と無数の枝をユサユサと揺らして気持ち良さそうに大笑いした。
あまりの揺れかたに驚いて、枝にぶら下がっていた無数のりんご達は一斉に飛びたった。
まるで十万人が大歓声をあげたような凄い音波が砂漠中に広がった。
ボクは思わず両耳を塞いだ。
でも、それよりも空のほうが凄まじかったかもしれない。
なにせ、空一面をりんご達が埋め尽くしたので、青空が真っ赤になってしまったのだから。
もとの静寂に戻るまでには、ずいぶんと時間がかかった。
ボクはその間、両耳を塞ぎっぱなしで巨木さんに寄りかかっていた。
やっと静かになったと思って見上げると、網の目のように拡がっている裸の枝々、
その隙間から見える空の色は青に戻っていた。
ボクは大木さんにお辞儀をして、
「いろいろと勉強になりました。どうもありがとう」とお礼を言った。
「いやいや、こちらこそ。なかなかわしの自慢話を聞いてくれる相手がおらんでの。
今日は非常に満足じゃったわい」
ボクは巨木さんに手を振って、また歩道を歩き始めた。
舗道の敷石アメをひとつ取って口に入れようとしたけど、よく見るとただの石になっていた。
「つまんないなあ」
目の前にサッカーボールがあったので思い切り蹴ったら、
空中でボールはみるみる大きくなりボクのおうちに変わって、
ドスンと大きな音をたてて砂漠の上に着地した。
「ホントにボクのおうちなのかなぁ」
おそるおそる近づいて二階を見上げると、ボクの部屋の窓にてるてるぼうずが吊るしてあった。
ボクはちょっと安心して、ベランダにあがり足の裏についた砂を払い
おうちの中に入ってベッドに横になった。
すると、また頭痛が痛くなってきた。
「ねえ、ママー。やっぱり頭痛が痛いよぉ」と大声で泣くと
「いったい何度言ったらわかるの」と怒鳴られた。
すごくムカついたので大きな声で「うるさいママなんか飛んでけー」って言ったら、
ママの代わりに、ボクの頭のてっぺんに貼り付いていた頭痛クンが、
ポンと跳び上がって、ヒュルヒュルと回転しながら天井まで行って、プチッと消えた。
貼り付いていたところが少し痛いけど、ボクの頭痛は痛くなくなった。
