第10話

文字数 229文字


 蝶の王子は白薔薇のいなくなった丘の上で、いつまでも悲しみの涙をながしました。

「わたしがまちがっていた。どうか、精霊の王よ。白薔薇と赤薔薇を生きかえらせてください。わたしの命はいりませんから」

 王子は来る日も、そこで祈り続けました。
 そして、ある寒い日の朝に、ひっそりと息をひきとったのです。

 王子の羽は、白薔薇のいた大地に、とけて消えていきました。


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登場人物紹介

蝶の王子


青い羽の美しい蝶の精霊。

自由に空を飛べる。

白い薔薇


白薔薇の精霊。

優しく美しい。おっとりしている。

ちょっと気が弱いところも。

赤い薔薇


生まれたばかりの赤薔薇の精霊。

元気いっぱいで、とってもピュア。

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