VOL6 「無邪気なアメリカ人」

文字数 1,636文字

ー転生のアメリカ編 VOL6ー
「無邪気なアメリカ人」
ロスアンゼルス 1990年3月

ディズニーランドへ。
ひとりで遊園地なんて初めて。
日本でならゼッタイありえない
行動やなあ。
でも色々観察して歩いてると
面白くて全然退屈しないのだ。
(2023年現在ディズニーランド、
ワールドはオーランド、香港、
上海、パリ、東京にもあるけど
’90当時はまだここだけやったから
ものすごく貴重な空間のように
感じた。)

ここではタバコを吸って歩くヒトが
まったくいない。
灰皿もほとんど置いていないし。
さすが非喫煙者の権利に
うるさいアメリカだ。
タバコの価格が日本の2〜3倍
(’90年当時)
とすごく高いのも喫煙者が少ない
理由のひとつなのだろうか?
(アメリカのタバコが高い
というよりも日本のものが安い!
ということをいろんな国の人と
話して後で知ることになる。
この数年後、ロスアンゼルスの
全レストラン内で禁煙となり、
さらにアメリカ全体の公共の場で禁煙
にする傾向がますます強くなる。)

急流すべりの注意書きには
「濡れてしまうかも」(MAY)と
書いてたが、頭からキタナーイ水で
びっしょ濡れになった。
「ゼッタイ濡れるに違いない!」
(MUST)やろうがあ!
でもみんな「キャアアアアッ!」
って喜んでる。

テレビで見たのでは、
ロスアンゼルスのもうひとつの
大人気遊園地「マジックマウンテン」
のアトラクションに驚いた。
急流下り?で滝の中を屋根のない
乗り物で頭から水をかぶって通る
というスゴイもの。
スーツ姿の男まで全身ずぶ濡れで、
彼は乗り物から降りると
皮靴をひっくり返して
水をジャーッと流して笑っていた。
なんでアメリカ人はそんなに
濡れるのが好きなのだ?
川とかキレイな水なら
俺も大好きなんやけどなー。

子どもの手首に何かをはめて
そこから長ーく伸びるヒモがついてて
親がそのヒモの端を持って歩くのを
ちょいちょい見かける。
2、3人の子どもがあっちこっちに
行こうと、夫婦はのんびり楽しそうに
話しながら「鵜飼い」のように
時々ヒモを引っ張って
子どもをまとめて歩いていく。
すごいなあ。
合理的なアメリカらしいやり方だ。
親になったって子どものためだけに
遊園地に来るのではなく、
恋人同士の頃と同じように
自分達も楽しむ。
それとこのヒモのもうひとつの意味は
子どもの誘拐、行方不明事件が
毎年約1万件!(やったかな?)
も起こるという社会背景に
基づいているのでは?

マイケルジャクソン主演の
15分ほど?の3D映画
「キャプテンE.O」を観る。
マイケルが画面に登場すると、
赤と青のセルロイドのメガネをかけて
観ているアメリカ人が皆コーフンして
おとなも子どもも大声で
「マイケルー!」と叫ぶのに驚いた。
遊園地の映画でさえこれなら、
ライブでなら一体どんなんなのだ?
改めてマイケルがスーパースター
であることを感じる。
(素晴らしいシンガー、ダンサー、
そしてプロデューサーでもあった
マイケルの冥福を祈る)

「カントリーベアハウス」でも
ユニークなクマの人形達が歌うのに
合わせて手を叩いたり、歌ったりする
無邪気なアメリカ人。
俺も今日1日一緒に楽しみながら
考えてしまう。
このひと達が子どもっぽすぎるのか、
何事にも感情をあまり出さない
と言われる日本人が冷めてるのか、
どっちなんやろう?

夕方になってミッキーマウス達が
勢ぞろいしてのパレードが始まる。
大きなてんとう虫や馬車などの
イルミネーションが美しい。
迫力いっぱいのサンバチームが
賑やかに歌って踊るのを観ていると、
さすがショービジネスの国やなあ、
と思う。
お父さんが子どもを肩車して観せる。
恋人同士は自然にキスをする。
みんな「この時間」を
生き生きと過ごしている。

スターウォーズ風の画面を観ながら
座席が上下左右に激しく揺られる
「スターツアー」では
あまりの臨場感に大コーフン!したし
(当時、日本にはまだなくて、
後にUSJにこれの
バックトゥーザフューチャー版、
スパイダーマン版などが登場)、
いろんな乗り物にも乗ったし、
初のディズニーランド体験は
すんごく楽しかった。
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