VOL14 「これぞアメリカのショー」

文字数 1,575文字

ー転生のアメリカ編 VOL14ー
「これぞアメリカのショー」
ラスベガス 1990年3月

ラスベガスに来たら必ず観るべきもの、
それは、、、、ショーである。
通りに立ち並ぶ豪華ホテルでは
マジックショー、有名人そっくりさん
ショー、ダンスショー?などそれぞれ
趣向を凝らしたものを低料金で
提供している。
その中で10年以上のロングランを誇る
「リド.デ.パリ」を選ぶ。
スターダストホテルに到着。
うーーん、ここもやはり超豪華だ。
扇形の劇場はほどよい大きさで
どこに座っても観やすそうだ。
席に案内され、ショーの料金に
含まれている2杯のカクテルが
運ばれてくる。
やがて会場が暗くなり、開演を待つ。
ドキドキ。

ーと突然、幕が開くと同時に
まばゆいばかりのライトが照らされ、
大音量の生演奏の音楽と共に
いきなり目に飛び込んできたのは、、
20人ほどのキラキラ衣装をまとった
笑顔がマブシイ美女達だった!
客席の中を突っ切る、
天井から見るとメガネのような形に
作られたステージを華やかな動きで
ダンサー達が舞う。
やはりキラキラ衣装で髪をバッチリ
きめた美形のオトコも10人ほどが
加わり、ステージいっぱいに躍動する。
そしてオンナ達は、、、、な、なんと
踊りながら脱ぎ出すうー!!!
(ラスベガスのショーではフツーだが、
当時の俺は当然知らなかった!)
「おおっ!!! 
こっ、これはあ!!!」
ついにTバックのキラキラパンツ
1枚だけを残して脱ぎ捨てたオンナ達は
オトコ達と組んで妖しく踊り、
客席の中を突っ切るステージにまで
出てきて観客の目の前わずか50センチで
その美しい裸体をくねらせる。
なあーんて豪華で健全な
ストリップなんだあ!!
芦原温泉でみんなで浴衣に下駄で
観にいったストリップとは
ちょびっと違うぞおー!

オープニングダンスが終わり、
ステージが暗転する。
閉じた幕の手前で個性派芸人達が
コミカルな手品やジャグリング
(帽子やナイフなど3つ以上のものを
くるくる投げては受けるアレ)
などを披露するたびに
その後の幕の後ろのステージは毎回
まったく別のセットに変わっている。
その徹底ぶりは素晴らしい!!
さすが「エンターテインメントの国」。
「8時だよ!全員集合!」の
♪ちゃっちゃーらちゃんちゃか
ちゃんちゃん、
ちゃんちゃかちゃんちゃん、
ちゃんちゃかちゃん!
とはちょびっとスケールが違うぞおー!

そしてついには床の下から10m四方
くらいのアイスリンクが出てきて
アイススケートショーが始まったのには
マイッタ!
音楽をバックに男女2人で
リンクいっぱいギリギリ端まで使って
創り上げる力強く、美しい空間、、、。
3回ひねりなどの正統派の技や、
オトコが美女を持ち上げたり、
空中高く放り投げたりする
アクロバット的なものから、
またも脱いだオンナとオトコの
セクシーな演技までが観客を魅了する。
リンクから客席へひんやりとたなびく
白い冷気の波が見える。
静寂の中に乾いて響くエッジの音、、。
観客のところにまで飛び散る
氷の破片、、、。
すごい臨場感だ。

フィナーレではオトコはオンナの両足を
掴み、そのままプロレスのように
ぎゅんぎゅん回転する。
回転は段々速くなり、オンナの体は
徐々に水平から縦に近い角度へと
移行してゆく。
ついにはウェーブのかかった髪は
氷の床をかすめて、いや完全に接触して
さらに回転速度は上がってゆく!
40回転、、、、50回転、、、、、、、、
信じられん、、、、。
目が回らんのか?もしミスったら、、?
キミいーっ! ア、アブナイぞおっ!!
会場の緊張感がまさにピークに
達したかと思われたその瞬間、
オトコはオンナをサッと抱え、
見事フィニッシュポーズを
キメたのであった。
場内は拍手の嵐!!
コーフン状態である。
うーーーーん、スゴイ!!
子どもの頃、近所のタダオちゃんと
やったタイガーマスクごっことは
ちょびっとスケールが違うぞおー!

(次回「オランウータン対ニンゲン!」
に続く)

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