本編1頁

文字数 617文字

 私の名は、まあミスターオーとでも言っておこう。最早、我々には名前すら意味が無くなってきている。
 我々が、ギャラクティカ推進委員会の薦めで、ギャラクティカになって早3年が経つ。
銀河を統べる大いなる意志の者達が突然現れてなかば強制的にギャラクティカにされたのだ。
 ギャラクティカとは何か?
それは精神共同体である。肉体を持ったまま、全ての意思が繋がるのである。つまり、秘密も持てないし、知りたくもない出来事も全て分かってしまう。

 この様な状況では犯罪も起きない。
テロも出来ない、宗教すら持てない。何故なら全ての人は皆の事を解っているからだ。
 だからと言って、天才の脳みそを共有出来るかと言ったら。それは脳みその容量の問題で、何を考えているのかさっぱりな訳で。

 兎に角、煩い!はっきり言って、余り人に関心を持ちたくない。何せ80億のフォロワーを持つツイッターや、その他のSNSのユーザーみたいなものだ。直ぐに頭の中が炎上する。
 まあ、そんなに皆で暇ではないのだけどな。
そんな私が今、何処にいるかと言うと。
新たに新設された、

 『新設だから、新しいに決まっている』

ほら、突っ込みが来た。
(うるせーと言ってるだろう黙って見てろ!)
私は心の中で呟いた。
 今この時も、私の動向を2億の人が固唾を呑んで、または風呂に入りながらランチを食いながら、トイレでキバリながら。
(え~い、汚い映像を送るな!まったく落ち着かない。無視だ!)

 私は、仕事に集中した。
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