ＶＴｕｂｅｒ魔人ロロは女子高生‼️
文字数 2,225文字
「ワハハハ！ お前ら、今日も見に来てくれて、ありがとな！ また次回の配信で待ってるぞ！」
女子高生の私は、パソコンの前で疲れきって倒れる……。
「はぁ〜、やっぱりキャラ設定を間違えたかな……。 女の私が、男キャラを演じるのはムリだよなぁ……」
私は魔人ロロ《まじんろろ》、動画配信サイトで生配信をやっている、新人のVTuber《ブイチューバー》です。
VTuberとは、動画配信者が本人の姿で出演する代わりに、イラストなどの姿で演じています。
魔人ロロは、狼の顔をした魔人で、話す口調も荒々しく、とっても男らしい設定です。
演じるのは私、桐山茜 、高校３年生。
VTuberという華やかな世界に憧れていた私は、必死にバイトして貯めたお金を配信用のパソコンやVTuberのイラスト代に使い、やっとの思いで生配信まで辿り着きました。
VTuberというと、可愛い女の子キャラばかりなので、私は考えました！
人がやらない事をやろうと!!
そこで考えたのが、魔人で狼の男性というキャラです。
我ながら良いセンスだと思って、これで人気VTuberの仲間入りだ‼️と思いました。
それなのに……世の中そんなに甘くはなかったんですよ……。
最初は男性の低い声を出すのがツラくて、ちょっとの配信で喉を痛めちゃうし……。
それで仕方なく今は、ボイスチェンジャーを使い、声を男っぽくして配信しています。
何よりキツイのが、誰も私の配信を見に来てくれないんですよぉ……。
必死で貯めたお金を使って、夢のVTuberになって、毎日配信しているのに……。
それでもファンがちょっとだけはいますよ。
いるけど、もっと人気VTuberになるはずだったのに……。
でもね、その少しのファンが私をいつも勇気付けてくれるのは間違いないんです。
「わぁ〜！ マヨイちゃんがまた見に来てくれた〜!! ほんとに天使だよ！マヨイちゃん～!!」
私の配信後に、毎回SNSで私の配信を「楽しかったよ」とツイートしてくれるのは、新人VTuberの蛇ノ目マヨイ《じゃのめまよい》ちゃんです。
蛇をモチーフにしてるのに、見た目も喋り方もとっても可愛い女の子のVTuber。
女の私が嫉妬しちゃうくらい可愛いんです。
「マヨイちゃん、その可愛さ私にわけて～」
可愛いマヨイちゃんはデビューしてすぐに話題になり、あっという間に人気VTuberの仲間入りになりました。ほんとスゴイ！
そこには少し嫉妬しちゃいましたけどね。
そのマヨイちゃんが毎回、私の配信を楽しみにしてくれてるんです。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
私とマヨイちゃんはいつしかSNSのDM《ダイレクトメッセージ》でやり取りするくらい仲良くなりました。
勇気を出して、私からDMを送るとマヨイちゃんは嬉しそうな文面で返信してくれたんです。（そのときはホント嬉しかったなぁ）
いつしかマヨイちゃんとのDMのやり取りが、配信以外の楽しみの一つになりました。
なんか、マヨイちゃんはどこか他人とは思えない感じがするんですよね。
しかし、事件が突然起きちゃいました!!
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
いつものようにSNSのマヨイちゃんのツイートを見て、私は驚きのあまり頭で考える前に弟の部屋のドアを開けていました。
一階のリビングからも、妹が慌てた感じで私の隣にいます。
なぜ私がそこまで驚いたかというと、マヨイちゃんのツイートした写真に写っていたパソコン周りが、弟のパソコン周りと同じだったんです。
それは、弟が蛇ノ目マヨイと同一人物という事です。
私は弟の部屋の前で硬直したかのように、頭の中で情報を整理していると、弟が「どうしたの？」と話しかけてきました。
私の弟の直人 は、高校に入学して不登校になり、そのまま引きこもりになりました。
きっと何か言えない事情があるのはわかるんです。
でも、その一線を超えて聞いて良いのか私は未だに迷っています……。
仲が悪い訳じゃないですが、そんな弟とどう接して良いのかわからず、無意識に弟を避けて生活してました。
そんな弟がいつもまにかVTuberになり、私の大好きなマヨイちゃんだったんです。（しかも、私より喋り方も仕草も可愛い女の子なんですよ）
私は手に持ったスマホを弟に見せました。
「これって、ナオ君のパソコンだよね！」
そういうと弟は、明らかに動揺し戸惑ってます。
しかし次の瞬間、私のスマホを見た妹の桜 が、スマホを指差しこう言ったんです。
「茜ちゃんがロロ様だったの!?」
妹はどうして私が魔人ロロだと知ってるの!?
動揺し知られた事が恥ずかしくて、私は赤面状態です。
自分のスマホを良く見ると、アカウントが普段のものではなく、魔人ロロのアカウントになってます。
それで、妹は私が魔人ロロだとわかったんです。
でも、私はかなりマイナーなVTuberなんですよ!?
すると妹は自分のスマホを取り出し、SNSのアカウントを見せてきました。
そのアカウント名は『クソガキ』。
クソガキは魔人ロロと蛇ノ目マヨイの配信によく変なコメントを残すファンでした。
そのクソガキが妹の桜だったんです。
私達３人姉弟は配信やSNSで深い繋がりがあったんです。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
それからの魔人ロロとマヨイちゃんは生配信などコラボをして、クソガキが面白いコメントをだし、それを二人が取り上げるというのが定番になりました。
そして、リアルの方でも３人は仲良くなっていったんです。
それからまもなく、弟の直人は久しぶりに学校へ登校しました。
女子高生の私は、パソコンの前で疲れきって倒れる……。
「はぁ〜、やっぱりキャラ設定を間違えたかな……。 女の私が、男キャラを演じるのはムリだよなぁ……」
私は魔人ロロ《まじんろろ》、動画配信サイトで生配信をやっている、新人のVTuber《ブイチューバー》です。
VTuberとは、動画配信者が本人の姿で出演する代わりに、イラストなどの姿で演じています。
魔人ロロは、狼の顔をした魔人で、話す口調も荒々しく、とっても男らしい設定です。
演じるのは私、
VTuberという華やかな世界に憧れていた私は、必死にバイトして貯めたお金を配信用のパソコンやVTuberのイラスト代に使い、やっとの思いで生配信まで辿り着きました。
VTuberというと、可愛い女の子キャラばかりなので、私は考えました！
人がやらない事をやろうと!!
そこで考えたのが、魔人で狼の男性というキャラです。
我ながら良いセンスだと思って、これで人気VTuberの仲間入りだ‼️と思いました。
それなのに……世の中そんなに甘くはなかったんですよ……。
最初は男性の低い声を出すのがツラくて、ちょっとの配信で喉を痛めちゃうし……。
それで仕方なく今は、ボイスチェンジャーを使い、声を男っぽくして配信しています。
何よりキツイのが、誰も私の配信を見に来てくれないんですよぉ……。
必死で貯めたお金を使って、夢のVTuberになって、毎日配信しているのに……。
それでもファンがちょっとだけはいますよ。
いるけど、もっと人気VTuberになるはずだったのに……。
でもね、その少しのファンが私をいつも勇気付けてくれるのは間違いないんです。
「わぁ〜！ マヨイちゃんがまた見に来てくれた〜!! ほんとに天使だよ！マヨイちゃん～!!」
私の配信後に、毎回SNSで私の配信を「楽しかったよ」とツイートしてくれるのは、新人VTuberの蛇ノ目マヨイ《じゃのめまよい》ちゃんです。
蛇をモチーフにしてるのに、見た目も喋り方もとっても可愛い女の子のVTuber。
女の私が嫉妬しちゃうくらい可愛いんです。
「マヨイちゃん、その可愛さ私にわけて～」
可愛いマヨイちゃんはデビューしてすぐに話題になり、あっという間に人気VTuberの仲間入りになりました。ほんとスゴイ！
そこには少し嫉妬しちゃいましたけどね。
そのマヨイちゃんが毎回、私の配信を楽しみにしてくれてるんです。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
私とマヨイちゃんはいつしかSNSのDM《ダイレクトメッセージ》でやり取りするくらい仲良くなりました。
勇気を出して、私からDMを送るとマヨイちゃんは嬉しそうな文面で返信してくれたんです。（そのときはホント嬉しかったなぁ）
いつしかマヨイちゃんとのDMのやり取りが、配信以外の楽しみの一つになりました。
なんか、マヨイちゃんはどこか他人とは思えない感じがするんですよね。
しかし、事件が突然起きちゃいました!!
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
いつものようにSNSのマヨイちゃんのツイートを見て、私は驚きのあまり頭で考える前に弟の部屋のドアを開けていました。
一階のリビングからも、妹が慌てた感じで私の隣にいます。
なぜ私がそこまで驚いたかというと、マヨイちゃんのツイートした写真に写っていたパソコン周りが、弟のパソコン周りと同じだったんです。
それは、弟が蛇ノ目マヨイと同一人物という事です。
私は弟の部屋の前で硬直したかのように、頭の中で情報を整理していると、弟が「どうしたの？」と話しかけてきました。
私の弟の
きっと何か言えない事情があるのはわかるんです。
でも、その一線を超えて聞いて良いのか私は未だに迷っています……。
仲が悪い訳じゃないですが、そんな弟とどう接して良いのかわからず、無意識に弟を避けて生活してました。
そんな弟がいつもまにかVTuberになり、私の大好きなマヨイちゃんだったんです。（しかも、私より喋り方も仕草も可愛い女の子なんですよ）
私は手に持ったスマホを弟に見せました。
「これって、ナオ君のパソコンだよね！」
そういうと弟は、明らかに動揺し戸惑ってます。
しかし次の瞬間、私のスマホを見た妹の
「茜ちゃんがロロ様だったの!?」
妹はどうして私が魔人ロロだと知ってるの!?
動揺し知られた事が恥ずかしくて、私は赤面状態です。
自分のスマホを良く見ると、アカウントが普段のものではなく、魔人ロロのアカウントになってます。
それで、妹は私が魔人ロロだとわかったんです。
でも、私はかなりマイナーなVTuberなんですよ!?
すると妹は自分のスマホを取り出し、SNSのアカウントを見せてきました。
そのアカウント名は『クソガキ』。
クソガキは魔人ロロと蛇ノ目マヨイの配信によく変なコメントを残すファンでした。
そのクソガキが妹の桜だったんです。
私達３人姉弟は配信やSNSで深い繋がりがあったんです。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
それからの魔人ロロとマヨイちゃんは生配信などコラボをして、クソガキが面白いコメントをだし、それを二人が取り上げるというのが定番になりました。
そして、リアルの方でも３人は仲良くなっていったんです。
それからまもなく、弟の直人は久しぶりに学校へ登校しました。
