第10話 グルメでトップがとれる世界
文字数 1,172文字
おいしい料理のおかげで、タロウ一行は飛ぶ鳥落とす勢いで順調にダンジョンの上階を目指して攻略を進め、見事に現在のトップ攻略者に躍り出たのだった。
タロウ君たちは、これで一気にダンジョンの最高攻略者になったわね。
ギルドでもタロウ君たちの噂話で持ちきりよ。
"もしかしたらチート使っているんじゃないか"って。
ズルじゃなくて俺たちの実力だって認めてほしいよな。
ま、大部分はあの調理師のおかげではあるんだけど。
なんと言ってもダンジョンのトップ攻略者なんだからライバルもいっぱい現れるわよ。
俺たちにはあの調理師がいるから誰にも負けない自信があるし。
普通にレベル相応の最高の調理士だった。
──あ。いや、レベルだけは本当に尋常じゃないくらいに異常だと思う。
今……化け物かってくらいにレベル130になっているみたいだけど……。
私も紹介した手前、タロウ君たちのことが気になるの。
噂では、あの調理師が作った物を食べた者たちはみんな化け物みたいになるんじゃないかって……。
きっと俺たちのことが羨ましいだけなんだよ。
あの調理師の作る料理は全然そんなことないし、毎日スゲーおいしい食事を作ってくれるんだ。
もう最高だよ！
でも油断しないように気を付けてね。
けど、そんなこと全然ないから安心していいよ。
──あ、そういえば一つ言い忘れていたことがあったわ。
タロウ君たちは、ダンジョンで拾った薬草、菌類、鉱石、木材、モンスター素材はどうしているの？
ちゃんと換金してる？
そろそろアイテム袋も限界きているし、換金してみようかな。
アイテム武器防具店の「ベル」を尋ねてみて。
調理師や実力に任せて先に進むのも良いけど、武器防具の買い替えや強化をすることもダンジョン攻略に必要なことだから、考えてみるといいよ。
武器防具は使えば使うほど痛んできて壊れる可能性だってあるんだから気を付けてね。
俺、今からベルさんのところに行ってくる。
