第3話 思い立ったが吉日なんだろう……。

文字数 1,641文字

冒険者たちの旅立ちの街──【はじまりの街】。

ここは国に一つだけしかない唯一の大きな街である。


冒険者はこの街からダンジョンへと旅立ち、そしてダンジョンがひと段落着いたらここに戻るという、そんなマイホーム的な場所。

この街には色んなものがそろっています。

冒険者たちを管理するギルド、アイテム武器防具屋、そして我らが王様が住むお城、そして全ての冒険者が泊まれる宿屋、職業訓練の学校などなど。


大抵のダンジョン脱落組の冒険者たちは、この街の宿屋に転移されてきます。

そう、勇者タロウ率いる冒険者の仲間たちも、みーんなここに転移されたのだった。

2022/05/21 19:56
また宿屋か……。
2022/05/21 20:03
どの冒険者たちも、ダンジョンで戦う前に、ダンジョンの入り口で食するモンスターの肉で脱落している。

ダンジョン攻略以前の問題なのではないのか? これは。

2022/05/21 20:05
たしかに、それは言えてる。

あのゲロマズさと臭さと嚙み切れない肉の硬さをどうにかしないと、全然ダンジョン階層攻略が進まないぜ俺たち。

肉のバフ効果は欲しいけど、あのゲロマズさを耐えてまで得られる効果なんてほんと微々たるモンだったし、だからといってバフ無しだと5階層からクリアできねーしな。

あーぁ。ほんと。なんか良い方法ないかなー?

2022/05/21 20:14
ステーキ肉が食べたい……。出来れば普通の洋食セットで。

濃厚なコーンスープに採れたて新鮮な野菜サラダ、ジューシーで柔らかい牛肉に上品にかけられたワインのソース。

そこに添えられたカリカリのポテトとオリーブオイルで薄味に炒められた季節の野菜。

自然の野菜の味わいを舌で堪能した後に、ナイフでスッと切れて口の中でとろけるほども柔らかい肉と上品なソースの味わいを口いっぱいに感じながら、白くてふかふか炊き立ての白米をこれでもかってほどに口の中にかき込むんだ……。

2022/05/21 20:16
やべぇ、腹減ってきた……。

やっぱりダンジョンに入る前はそんな食事がしたいよな……。

2022/05/21 20:27
やはり食事は和食に限るでござる。

味噌汁、山菜、ご飯に漬物。

2022/05/21 20:29
肉無し……?
2022/05/21 20:30
精進料理が一番おいしい。それが忍者というものさ。
2022/05/21 20:32
みんなの気持ちは分かるけど……。

ここで何を言ったところで、結局は俺たちが求めているものはバフ効果なんだよなぁ。

好きであんなモンスターの肉を食べている奴らなんて誰もいない。

でも食べなきゃいけないんだよ。

あともう少しで10階層攻略目前だったのになぁ……。

15階層攻略した奴らもいるって聞くし、アイツ等どうやってゲロマズ肉を吐かずに階層を突破してるんだろう。

2022/05/21 20:39
そういえば……。

噂で聞いたことある。

あのゲロマズ肉は携帯食にするからゲロマズくなるんだって。

新鮮なモンスターの肉はそこまでマズくない上にバフ効果がかなり高いらしい。


2022/05/21 20:43
けど実際問題さ、新鮮なモンスターの肉なんて食べる前にすぐに腐っちまうよな。

細かくしないとアイテム袋に持ち運びも出来ないし、細かくしている間に硬くなってすぐ臭くなるし。

携帯食にしないとやっぱり無理だよ、モンスターの肉なんて。

2022/05/21 20:50
噂はそれだけじゃない。

最近、ギルドで出来たらしいんだ。新しいジョブスキルのクラスが。

『調理士』ってクラスらしいんだが、そいつ等のスキルがマジでヤバイらしい。

どんな修行をしたのか知らないが、モンスターの肉をコース料理にする上に、肉も新鮮な状態だからバフ効果もすごいらしいって。

料理については調理士のレベルにもよるだろうけど、ただ……そのレベルが上がっている奴ほど別の問題があるらしいんだが──

2022/05/21 20:59
みんな準備出来たか!

ギルドに今すぐ直行だ!

俺たちのパーティにも『調理士』の仲間を入れよう!!!

2022/05/21 21:01
タロウ は 宿屋 を飛び出して ギルド へ 向かった。
2022/05/21 21:02
だから──……はぁ。

話は最後まで聞いてほしいんだけどなぁ。

アイツ(タロウ)は、思い立ったらすぐ行動するから……。

2022/05/21 21:04
そのくらい行動力があるくらいがタロウらしくて良きでござる。

ところで、その『調理士』とやらの別の問題とは……?

レベルが高いなら問題なんて無きに等しいと思うが、やはり──

2022/05/21 21:07
そう……。

キルの思う通り、「やはり」ってやつが問題なんだよ。

2022/05/21 21:09
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登場人物紹介

名:タロウ

この物語の主人公であり勇者である。

職業(クラス):ウォーリア

武器:大剣

配置:近距離アタッカー

名:エル

タロウの古き友人であり、タロウ一行の仲間の一人。

職業(クラス):アーチャー

武器:弓、銃

配置:遠距離支援

名:キル

タロウ一行の仲間であり忍者村出身。

職業:アサシン、偵察

武器:デバフ系魔法スキル、手裏剣、クナイ、マキビシ他

配置:後方支援

名:ヒロインちゃん

タロウ一行で紅一点のかわいい魔女っ娘。

職業:魔法使い

武器:杖、魔法の書

配置:後方支援系ヒーラー

名:ジン

タロウ一行の仲間で、いざという時に頼りになる存在。

職業:タンカー

武器:重装備と盾

配置:近距離

名:タゲるさん

たぶんタロウ一行の仲間だと思われる。

職業:呪術師

武器:無し、デバフ系魔法スキル

配置:不明

名:???(調理士の人)

タロウ一行に新しく仲間に加わったのだが……。

職業:調理士

武器:包丁、鍋、フライパン

持ち物:食器、調味料、香料のみ。それ以外は全て現地調達。

名:王様

この国の現王。

次の王になる冒険者を探している

名:大臣

次の王の座をこつこつと頑張って狙っている。

名:大魔法使いの賢者

遥か昔の時代に生まれたにも関わらず今のなお生き続け、ダンジョンに挑む冒険者の手助けをする魔法アイテムを渡したり、死んだ時に復活の祈りを捧げて、死後の世界から現世に生き返らせてくれる人。

所定の位置から一切動かず、冒険者からはセーブ地として崇められている。

名:アイテム武器防具店の店主、ベル

国に一つだけしかない大きなお店だが、従業員は店主の一人だけ。

怒らせると怖いらしい。

冒険に必要な道具はここに来れば何でもそろっている。

ここではダンジョンで拾った薬草、菌類、鉱石、木材、モンスター素材等を売って、その売った代金で店の物を買うことが出来る。

名:ギルドの受付嬢、マヤ姉さん

タロウとは顔なじみのギルドの受付嬢。

タロウを弟のように可愛がってくれている。

ギルド管理に関することは何でもお任せ!

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