準決勝
文字数 2,038文字
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その後、この試合のうわさは瞬く間に各チームに広がっていった。
美人のエースと、ど素人のむさくるしい中年のおっさんたち。それは美女と野獣…いやいや、美女と青虫たちだ。そしてそんな彼らが「青虫バケツリレー作戦」を…
そういう訳で、すばる360は、たちまち注目の的となっていった。
すなわち彼らはその後、打たせて捕ってバケツリレーという、結構強いチームとして、二回戦、三回戦と勝ち進んでいったのである。
そして準決勝だ。
相手はワイルドセブンとかいうチームだった。さすがに準決勝となると、ワイルドなチームと当たった訳だ。すなわちこのチームは、青木の喫茶店の主力チーム「プレアデス」を破ったのだから、つまりそうすると、すばる360はプレアデスよりも「上位互換」となったのだから世の中分からない。
そういう訳で、三回までは例によって
「イヤッハッハッハッハッハァアアあ~~~~~~」とバッターボックスで笑い転げ、仰向けに倒れ込み、足をバタバタ…
で、審判も、
「いや、君君、ちゃんと打撃の構えを…オホホッ…ぶぁっハッハッハぁあああ」ってな感じで進んでいき、そんなこんなで打者一巡。で、その後、内野ゴロの山…
それから彼らはバットを短く持ち、ピッチャー返しを始めるや、起山の、
「やいやいやいやい。嫁入り前の娘になんてぇことしやがるんだ!恵の顔に傷でも付けたら、てめぇ、どうやって責任取るつもりだ!」ってなわけで、怒山のドスの効いた声がグラウンドに響いたりして、又しても内野ゴロの山。
だけどそうはいっても、「普通の外野フライ」みたいな打球も4本ほど打たれ、それはすべてホームランとなり、試合は7対4ですばる360リードという展開だった。
そして4回の表、ワイルドセブンの攻撃。
前にも言ったように、彼らはピッチャー返しは出来ない。
怒山が怒るからだ。
そこで一番バッターは、叩きつけるバッティングを試みた。
なるほどこれは、恵と青虫の盲点を突いた巧みな試みだった。
すなわち、軟球ならではの大きくバウンドした打球は前衛の怒山の頭を超え、肉離れの後ろ足もすっかり良くなった、この日は後衛のライトを守るみぃ太郎のところへ、ぽよょ~~~んと飛んで行ったのだ。
それでみぃ太郎はこれを捕るようなそぶりからジャッグル。それからもたもた拾い、で、よせばいいのに恵に渡すことなく(つまりバケツリレーを経ることなく)、かっこつけて得意のサイドスローから一塁へ送球。これが引っ掛かって暴投…、っていうか悪送球。
「こら!みぃ太郎のばかたれが。なんばしよるとか!おっと、お前の言い方がうつったじゃねぇか!このバカヤロウ!」
起山は豪快に怒っていた。
で、ノーアウト二塁(^^♪
で、次の打者は恵の真っすぐを打ち上げた。完全なポップフライ。常識的には平凡なセカンドフライである。ところが、ピッチャーの恵と二塁ベースの間付近にいた、後衛のセンター、鈍足のボタは、
「おーらい・おーらい・おーらいぃぃぃ(^^♪」とか言いながら、いかにも捕れそうな追いかけ方をしつつ、結局「ばんざい!」して落としてしまった。
「ごらぁ!ボタ!なんばしよるとか!このばかたれが!」
ここでみぃ太郎が、自分のことを棚に上げ、鬼の首を取ったかのようにボタを罵った。
で、その頃セカンドベースやや後方に落ちたボールはころころとセンター方向へ。それでボタはのそのそと鈍足でこれを追いかけ始めた。
これを見たセカンドランナーはあわてて走り出し、ボタの鈍足加減を見た三塁ベースコーチも腕をぐるぐる。で、ランナーは一挙ホームへ向かう!!
だが、転がる打球は極度に遅く、ボタよりも遅く、だからボタは意外と早くボールに追いつく。そして中継に入ろうとした恵は、さささっとボタに追い付き、それからボールに追いついたボタはこれを拾うと振り向きざま…、いやいやすでにボタの背後には恵が迫っていた関係上、ボタは振り向きざま「は~~い♪」と、恵にボールを手渡した。
それで恵はこれまた振り向きざま、「びゅん!」と腕を振り、ボールは「びゅぅぅぅうん!」と、青木がミットを構えるホームへ!
そういう訳で、ホームベース上では豪快なクロスプレイ!
砂煙が上がり、何も見えなくなり、その砂煙が西風で飛ばされると、ホームベース手前でランナーと青木が激突していて、で、青木はしっかりボールを持っていて…
「ア…、アウト!」
審判の前足…、じゃない、右手が挙がった。
で、アウトはよかったけれど、だけど不幸にして、この激突で青木は名誉の負傷。
腰と肩を打撲していて、キャッチャーはとてもやれそうにない。
さぁ大変だ。
そういう訳で、ファーストにいた不手際が青木の代わりにマスクを被ることに…いやいや、不手際は青虫だから試合開始早々からマスクとプロテクターをしていたし。
で、ともあれ不手際はキャッチャーになった。
ちなみに青木はファーストへ。
「意外な助っ人登場」へ続く
その後、この試合のうわさは瞬く間に各チームに広がっていった。
美人のエースと、ど素人のむさくるしい中年のおっさんたち。それは美女と野獣…いやいや、美女と青虫たちだ。そしてそんな彼らが「青虫バケツリレー作戦」を…
そういう訳で、すばる360は、たちまち注目の的となっていった。
すなわち彼らはその後、打たせて捕ってバケツリレーという、結構強いチームとして、二回戦、三回戦と勝ち進んでいったのである。
そして準決勝だ。
相手はワイルドセブンとかいうチームだった。さすがに準決勝となると、ワイルドなチームと当たった訳だ。すなわちこのチームは、青木の喫茶店の主力チーム「プレアデス」を破ったのだから、つまりそうすると、すばる360はプレアデスよりも「上位互換」となったのだから世の中分からない。
そういう訳で、三回までは例によって
「イヤッハッハッハッハッハァアアあ~~~~~~」とバッターボックスで笑い転げ、仰向けに倒れ込み、足をバタバタ…
で、審判も、
「いや、君君、ちゃんと打撃の構えを…オホホッ…ぶぁっハッハッハぁあああ」ってな感じで進んでいき、そんなこんなで打者一巡。で、その後、内野ゴロの山…
それから彼らはバットを短く持ち、ピッチャー返しを始めるや、起山の、
「やいやいやいやい。嫁入り前の娘になんてぇことしやがるんだ!恵の顔に傷でも付けたら、てめぇ、どうやって責任取るつもりだ!」ってなわけで、怒山のドスの効いた声がグラウンドに響いたりして、又しても内野ゴロの山。
だけどそうはいっても、「普通の外野フライ」みたいな打球も4本ほど打たれ、それはすべてホームランとなり、試合は7対4ですばる360リードという展開だった。
そして4回の表、ワイルドセブンの攻撃。
前にも言ったように、彼らはピッチャー返しは出来ない。
怒山が怒るからだ。
そこで一番バッターは、叩きつけるバッティングを試みた。
なるほどこれは、恵と青虫の盲点を突いた巧みな試みだった。
すなわち、軟球ならではの大きくバウンドした打球は前衛の怒山の頭を超え、肉離れの後ろ足もすっかり良くなった、この日は後衛のライトを守るみぃ太郎のところへ、ぽよょ~~~んと飛んで行ったのだ。
それでみぃ太郎はこれを捕るようなそぶりからジャッグル。それからもたもた拾い、で、よせばいいのに恵に渡すことなく(つまりバケツリレーを経ることなく)、かっこつけて得意のサイドスローから一塁へ送球。これが引っ掛かって暴投…、っていうか悪送球。
「こら!みぃ太郎のばかたれが。なんばしよるとか!おっと、お前の言い方がうつったじゃねぇか!このバカヤロウ!」
起山は豪快に怒っていた。
で、ノーアウト二塁(^^♪
で、次の打者は恵の真っすぐを打ち上げた。完全なポップフライ。常識的には平凡なセカンドフライである。ところが、ピッチャーの恵と二塁ベースの間付近にいた、後衛のセンター、鈍足のボタは、
「おーらい・おーらい・おーらいぃぃぃ(^^♪」とか言いながら、いかにも捕れそうな追いかけ方をしつつ、結局「ばんざい!」して落としてしまった。
「ごらぁ!ボタ!なんばしよるとか!このばかたれが!」
ここでみぃ太郎が、自分のことを棚に上げ、鬼の首を取ったかのようにボタを罵った。
で、その頃セカンドベースやや後方に落ちたボールはころころとセンター方向へ。それでボタはのそのそと鈍足でこれを追いかけ始めた。
これを見たセカンドランナーはあわてて走り出し、ボタの鈍足加減を見た三塁ベースコーチも腕をぐるぐる。で、ランナーは一挙ホームへ向かう!!
だが、転がる打球は極度に遅く、ボタよりも遅く、だからボタは意外と早くボールに追いつく。そして中継に入ろうとした恵は、さささっとボタに追い付き、それからボールに追いついたボタはこれを拾うと振り向きざま…、いやいやすでにボタの背後には恵が迫っていた関係上、ボタは振り向きざま「は~~い♪」と、恵にボールを手渡した。
それで恵はこれまた振り向きざま、「びゅん!」と腕を振り、ボールは「びゅぅぅぅうん!」と、青木がミットを構えるホームへ!
そういう訳で、ホームベース上では豪快なクロスプレイ!
砂煙が上がり、何も見えなくなり、その砂煙が西風で飛ばされると、ホームベース手前でランナーと青木が激突していて、で、青木はしっかりボールを持っていて…
「ア…、アウト!」
審判の前足…、じゃない、右手が挙がった。
で、アウトはよかったけれど、だけど不幸にして、この激突で青木は名誉の負傷。
腰と肩を打撲していて、キャッチャーはとてもやれそうにない。
さぁ大変だ。
そういう訳で、ファーストにいた不手際が青木の代わりにマスクを被ることに…いやいや、不手際は青虫だから試合開始早々からマスクとプロテクターをしていたし。
で、ともあれ不手際はキャッチャーになった。
ちなみに青木はファーストへ。
「意外な助っ人登場」へ続く