10分休みって友達いないと20分くらいに感じる
文字数 1,223文字
ぼっちにとって、10分休みって暇だよな。
授業の用意をして、トイレに行くともうやることがない。
だから、仕方なくいかにも眠いですって感じで寝たふりをする。10分で寝れるわけがないから、寝たふり。いや、寝てるやつはいるよ。教室の一番前の席で――。
薫子に話しかける場合その話題は一番正解だったりする。前に天気の話題を振ってみたけど「そうね」って言われたし、「つまらない男」と貶された。
薫子も寝たふりだろうと最初は思っていたけど、あれは実際に寝ている。爆睡だ。
なんで10分の休みで寝れるんだよ。
お前目当てに顔見に来てる奴がいるんだから笑顔で手でも振ってやればいいのに。
愛想悪いやつだな。
まじかよ。絶対飽きるわ。週3でラーメンじゃん。
もっと女子っぽいもの食べろよ、パスタとか?カレーとか?カレーは違うか。
キンコーンカーンコーン キーンコーンカンコーン
バタバタバタ……
と隣のクラスだろう生徒たちは去っていく。
そうだな、先生。
薫子さん、美人に生まれたことを感謝したほうがいいぞ。やってることはぼっち喪女の悲しい学生生活だからな。
おっと授業が始まってしまった。
今日は寝ずにクラス内の様子を見てしまった。
っていうか、今まで気にしてなかったが、この先生やけに薫子のこと気にしてるの、もしかして気があるのか…?
この先生……名前は忘れたけど、教室の窓際後ろの席のぼっちの俺の視線に気が付くとは……やるな。けれど、このままモブとしてもう登場しないでほしいものである。
この先生には悪いが、この時間は睡眠に充てられる。
俺の席は窓側の一番後ろ。睡眠には最適だ。
……薫子は一番前だが眠るだろう。そのメンタルはどうなってるんだ。
やる気が起きない。
人並に出来るが、運動は極力したくない。
というか体育が嫌い。体育滅べ。ファック体育。