そんなわけで、もはやこれがいつもの日常風景
文字数 1,803文字
体育も終え、昼休み、いつもの屋上。
そう言って彼女はふわぁと大きな欠伸をする。本当に眠そうだ。翌日辛いのが分かっているのだからそこで中断して、学校から帰ってやるとか明日やるとかすればいいのに。
顔に出ていたのか言いたい事を見抜かれてしまった。察しなさいと言われても趣味と言える趣味のない俺にはゲーマーの気持ちは分からない。
実際俺はぼっちだ。
修学旅行の班決めとか余ってよく知りもしない奴らのグループに入れて貰った。その時は口には出さないものの、何でお前居るんだよオーラがひしひしと伝わってきてさっさと家に帰りたかった。二十分でさえ一時間のように感じた。慣れると一人と言うのは楽で、休み時間は睡眠に費やせるし、喋って体力を消耗しないので、一人の気楽さに気付いてからは進んでぼっちとなった。
そんなわけで俺も人のことは言えないが、薫子は酷いほど協調性が欠落している。
おまけに気に入らない人間には暴言も吐く。
こんな人間性で、社会に出て生きていけるんだろうかと心配になる。
俺たちは高校三年生だ、来年はもう卒業して進学か就職かしていなきゃならないのだ。
何故分かるのか。俺はそんなに言いたいことが顔に出やすいのだろうか。
それともこいつは読心術を極めた使い手かエスパーで俺の考えは全て見抜かれているんだろうか。
それともこいつは読心術を極めた使い手かエスパーで俺の考えは全て見抜かれているんだろうか。
ママ扱いされているが、よく考えたらこれってプロポーズなのだろうか。自分で作った弁当を食べて貰い、美味しいと言われて悪い気はしない。そんなことを言われては一生作り続けてあげたいという気になってしまう。
クズだけど、外見はとても可愛い。ああ、でも確実に尻に敷かれそうだ。と、薫子との結婚生活に思い巡らせていると、彼女は微笑んで言った。
一気に夢が砕け散る。こいつを養ってやろうかと思った途端その反応……ぼっちでも平気な強メンタルを持つ俺でさえ傷ついた。
お前を養える男なんて生涯俺だけだということを分かっていない。分からせてやりたい。
クズだけどそこが可愛いなと思ってしまう。
そんな奴だ、黛薫子という女は。
お前を養える男なんて生涯俺だけだということを分かっていない。分からせてやりたい。
クズだけどそこが可愛いなと思ってしまう。
そんな奴だ、黛薫子という女は。