回想:おそらくこれがファーストコンタクト
文字数 1,259文字
というか、薫子の欠伸から始めてしまったが、なぜ俺たちが屋上にいるのか、付き合うことになったのか、その経緯について話しておこう。
俺は皆川 佑と言ういたって普通の高校2年生。
この学校に2年半通うけれど、入学してから親しい友人が出来たことなく、ぼっち街道を突っ走っている。
部活は天文部で、唯一の部員。
天文部は屋上での活動が許されているため、屋上の鍵を預かっており、自由に出入りすることが出来る。
誰も来ることがなく、俺が校内で安らぐことが出来る唯一の場所。
いつも昼休みはここでお弁当を食べる。
今日も、いつものごとく屋上へとやって来ていた。
キイィィィイイ……
黛薫子とは、同じクラスの女子で、その外見から学校一の美少女として有名だ。
美しい黒髪ロングにぱっちりとした大きな黒目の持ち主、小顔で肌は白く日の光を浴びずに育ったことが伺える。あと巨乳。
むしろ女子には嫌われている。
黛薫子は教室でいつも寝ている、休み時間になる途端にふらふらとどこかへ行く、誰も彼女と深く関わろうとする者は居らず、どこかつかめない、変わった女だからだ。
俺は薫子の言うことを承諾してしまったが、この日から俺にとってのオアシスである屋上での平穏が消え失せたことには後悔しか浮かばない。